「せっかく採用した新入社員が3ヶ月で辞めてしまった」「毎年同じ説明を人事が繰り返している」「入社前後でギャップが生まれて、現場で問題が起きている」
こうした課題の多くは、オンボーディングの質で解決できます。オンボーディングとは、新入社員が入社後に企業文化を理解し、チームに溶け込むプロセスのこと。これを動画で支援することで、離職率低下、人事の業務効率化、企業文化の伝播が同時に実現します。
本記事では、実際の企業事例を基に、制作費用、期間、実務的な注意点をまとめました。
新入社員が定着しない真の原因|情報ギャップと文化ギャップ
目次
採用時と入社後のギャップはなぜ生まれるのか
採用の最大の課題は「期待値のズレ」です。説明会で語られた企業イメージと、実際の職場の雰囲気が異なると、新入社員は心理的に不安定になります。
主な3つのギャップ:
ギャップ①企業文化の理解不足 説明会では「チャレンジを尊重する」と説明されても、現場では慎重な意思決定が優先されている場合、新入社員は「説明と違う」と感じます。
ギャップ②ツール・システムの複雑さ 入社初日に説明を受けても、実際に使う時には忘れていることが多いです。リモートワーク環境では、質問のしづらさも加わります。
ギャップ③心理的安全性の見えにくさ 「わからないことを聞きやすい職場」と言われても、本当にそうなのかは時間をかけて体感するしかありません。
従来のオンボーディングの限界
- 人事の時間が奪われる:毎月新入社員が増えるたびに、同じ説明を繰り返す
- 情報の質にムラがある:説明者によって、内容や熱量が異なる
- リモート対応が難しい:地方や在宅の新入社員に、同じレベルの情報が届きづらい
- 見返す手段がない:「あの説明、どうだったっけ?」と思い出せない
これらの問題を解決するのが、オンボーディング動画です。
メルカリはどのようにオンボーディング動画で課題を解決したか
急速な組織成長で直面した「透明性の問題」
メルカリは2019〜2020年にかけて従業員数が1,800人規模に達しました。組織が拡大するにつれ、国籍や職歴の異なるメンバーが増え、「全員が同じレベルの情報にアクセスできるようにする」ことが急務になります。
2020年2月のリモートワーク導入がきっかけとなり、メルカリはオンボーディング動画制作に本格的に取り組むことになりました。
メルカリのオフィス紹介動画の工夫|「素」を残す設計
メルカリが制作したオフィス紹介動画には、一見すると「完璧さを避ける」という工夫がされています。
具体例: 来客受付システムを説明するシーンで、Global Operations Teamの社員が「これ、何のシステムだっけ?」と忘れてしまう場面がそのまま入っています。
通常のビジネス動画では撮り直しますが、メルカリは敢えて残しました。理由は明確—「わからないことをナチュラルに聞ける環境がメルカリの文化だから」です。
つまり、オンボーディング動画の役割は単に「情報を伝える」ことではなく、「企業文化そのものを体験させる」ことなのです。
メルカリのオフィス紹介動画では、国籍の異なるメンバーが登場する際、「やさしい日本語」を使うという工夫も施されました。スクリプトの完成度よりも、見る側の理解を優先させたのです。
オンボーディング動画で解決できる3つの課題
①人事担当者の業務効率化
新入社員が増えるたびに人事が同じ説明を繰り返すコストは見落とされやすいものです。会社説明、セキュリティ講習、ツール説明が動画化されると、人事の定型業務を大幅に削減できます。
削減できた時間を採用戦略や組織開発に充てることで、採用全体の質が向上するという副次効果も生まれます。
②新入社員の自律的な学習促進
動画はいつでも、何度でも見返せます。入社初日に説明を受けても、配属先で「あの説明もう一度見たい」と思ったときにすぐアクセスできます。
新入社員が自分のペースで必要な情報を習得でき、同時に人事への質問ハードルも下がります。
③企業文化の可視化と認識統一
「うちの企業文化は〇〇です」という説明と、実際の職場の様子を映像で見るのとでは、伝わり方が大きく異なります。映像を通じて初めて実感できる企業文化があります。
オンボーディング動画制作の費用と期間の目安
費用の相場
| 動画の種類 | 長さ | 制作費用 |
|---|---|---|
| 会社説明・企業文化 | 3〜5分 | 50〜150万円 |
| セキュリティ講習 | 5〜10分 | 30〜80万円 |
| ツール・システム説明 | 2〜3分 | 20〜60万円 |
| 部門別オンボーディング | 3〜5分 | 40〜100万円 |
| 複数本セット(5本以上) | 合計15〜20分 | 150〜300万円 |
費用が変動する要因:
- 撮影場所の数(複数拠点だと増加)
- 出演者の日程調整(多いと時間がかかる)
- アニメーション量(複雑だと増加)
- 修正回数(確定前の打ち合わせで決定)
- 字幕や多言語対応の有無
制作期間の目安
企画から納品まで6〜12週間が一般的です。
- 企画・ヒアリング:1〜2週間
- シナリオ作成:1〜2週間
- 撮影:1〜2週間
- 編集:1〜3週間
- 確認・修正:1週間
期間が短縮されるのは、企業側の意思決定が早く、出演者の日程が事前に確保されている場合です。
よくある質問と回答
Q1. 既存の採用動画を使い回すことはできないか?
A. 部分的には可能ですが、目的に合致しません。採用動画と比べ、オンボーディング動画は視聴者の心理状態が異なります。新規制作、または部分的な動画追加をお勧めします。
Q2. 外国籍の新入社員が多い場合、英語字幕は必須か?
A. 必須ではありませんが推奨します。特にセキュリティ講習などの重要な情報では、多言語対応で理解度が向上し、定着率も改善します。
Q3. 動画の効果をどう測定するのか?
A. 視聴完了率(目標80%以上)、平均視聴時間、再視聴回数、新入社員からのフィードバック、定着率比較などで評価します。
Q4. 動画は何年使い続けるのか?
A. 1〜2年ごとに部分更新、3〜5年ごとに全体リニューアルが目安です。オフィス移転や組織体制の変更時は更新が必要です。
オンボーディング動画制作の注意点
失敗パターン①:企画段階で「何を伝えるか」が曖昧
最も多い失敗は、「企業文化を伝えたい」という漠然とした要望のまま制作を始めることです。
解決策: 企画段階で以下を具体的に定義する。
- 新入社員が入社後、何に困っているのか
- その困りごとを動画でどう解決するのか
- 動画を見た新入社員がどう変わるべきか
失敗パターン②:情報が詰め込まれすぎて視聴されない
1つの動画に説明を詰め込みすぎると、10分以上になり、見る気力がなくなります。
解決策: 1つの動画は1つのテーマに絞る。
- 会社説明:3〜5分
- セキュリティ:5〜10分(複数本に分割)
- ツール説明:2〜3分×複数本
失敗パターン③:撮影がうまくいかず、スケジュール延長
出演者の日程調整が難しく、撮影が延期されるケースが多いです。
解決策: 企画段階で出演予定者の日程を事前に確保する。最低でも2週間前には撮影日程を決定します。
動画制作会社を選ぶ際のポイント
実績ポートフォリオを必ず確認
- 同業種での実績:業種によって作風が異なります
- 動画の長さ:制作予定の動画と同程度の実績があるか
- 撮影スタイル:必要なスタイルが得意か(企業インタビュー、オフィス撮影など)
見積もり・スケジュールの透明性
- 費用の詳細が明記されているか(「一式〇〇円」は避ける)
- 修正回数が明確か
- 納期が現実的か
コミュニケーション体制
- 担当者が固定か
- 質問への返答速度
- 定期的な進捗報告があるか
まとめ:オンボーディング動画は「採用戦略の最後のピース」
企業の採用成功は、採用活動そのもので決まるのではなく、入社後のオンボーディングの質で決まります。
メルカリの事例が示すように、企業文化を「見える化」することが重要です。説明資料では伝わらないニュアンスを、映像を通じて伝える—これが現代のオンボーディングに求められています。
以下のいずれかに当てはまれば、オンボーディング動画の導入を検討する価値があります。
- 新入社員の3ヶ月以内の離職率が10%を超えている
- 毎年人事が同じ説明を繰り返している
- リモート新入社員と出社新入社員で、情報格差が生まれている
お問い合わせ
オンボーディング動画の制作を検討されている場合、まずは現状の課題をお聞きします。
貴社の新入社員が抱える課題、企業文化の伝え方について、制作前の無料相談を実施しています。スケジュール、費用感、制作の進め方について、気になることがあればお気軽にお問い合わせください。
メルカリの事例のように、企業文化を正確に伝え、新入社員の定着を加速させる動画制作をお手伝いいたします。

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