「営業資料に動画を入れたのに、商談が増えない」
こんな悩みを持つ企業の営業・マーケ担当者は多いはずです。営業動画は作るだけでは機能しません。視聴数が多い=営業効果があるわけでもありません。大事なのは、営業動画をどう設計し、どこに配置し、どう測定するかという一連のプロセスです。
本記事では、営業動画の制作を検討している企業担当者向けに、営業動画の作り方、費用相場、制作期間、実装時の注意点をプロの視点から解説します。読み終わった後には、自社に必要な営業動画の形が見えてくるはずです。
営業動画とは│効果が出る営業動画の定義
営業動画が必要とされる背景
営業動画とは、営業プロセスの中で、見込み客に対して自社の商材・サービスを説明・説得するために活用する動画を指します。認知目的のブランド動画とは異なり、営業の具体的な成果(商談化・受注)につながることを目的とした動画です。
B2B企業の営業では、複雑な商材ほど営業動画の必要性が高まります。SaaS、クラウドサービス、複合ソリューションなどの場合、口頭説明だけでは20~30分かかる内容を、1分の営業動画で効率的に伝えることが可能になります。
Wyzowl Video Marketing Statistics 2026 によると、91%の企業が動画をマーケティングツールとして活用しており、その活用領域は営業段階まで広がっています。特に営業動画の活用により、オンライン営商談が普及した現在、メールやCRM上での事前説明ツールとして重要性が増しています。
営業動画でできることと効果の実例
営業動画により、以下のようなビジネス効果が期待できます。
営業サイクルの短縮:Vidyard 2023 State of Sales & Virtual Selling Report によると、営業動画を使う営業職の1/3以上がセールスサイクルを短縮できており、ほぼ半数がクロース率の向上を報告しています。
営業説得力の均一化:新人営業と経験豊富な営業でも、同じ品質の説明を提供できます。営業動画が「営業スキルの平準化ツール」として機能するわけです。
訪問前の準備度向上:見込み客が動画で事前に基本情報を理解しているため、営業訪問時は「説明の時間」ではなく「課題の掘り下げ・提案の時間」に充てられます。
Lumii・BtoB企業の営業・マーケティングにおける動画活用の実態調査(2025年1月、n=402) では、51%以上の企業が営業・マーケティング活動において営業動画の活用に効果があったと答えています。
営業動画の作り方│5つの重要ポイント
ポイント1:情報設計が全て│何を削ぎ落とすか
営業動画の作り方で最も重要なのが情報設計です。「何を入れるか」ではなく、「何を削ぎ落とすか」という視点が必要です。
多くの企業は営業資料の内容をそのまま動画化しようとします。しかし、複雑な機能説明や技術仕様をすべて盛り込むと、視聴者は混乱し、結果として商談化につながりません。
営業動画の情報設計の鉄則:1つの営業動画で伝える内容は「課題→解決方法」の2つの要素に絞る。複数の機能を説明したければ、別の動画を制作すること。
例えば、クラウドツール導入企業が営業動画を作る場合、「複雑な機能一覧」ではなく「導入前の課題(部門間の連携ロス)→導入後の改善(リアルタイム情報共有)」という1つのストーリーに絞ります。
ポイント2:冒頭の数秒が視聴継続を左右する
営業動画の視聴継続率は、冒頭の数秒で大きく左右されます。ここで相手が「これは自分たちの話だ」と認識しなければ、その後いかに良い内容でも視聴は続きません。
YouTube公式ヘルプでも、動画の冒頭30秒以内での視聴者の行動が重要とされています。営業動画の場合、さらに短い数秒の間に視聴者は「これは自分たちに関係あるか」を判断します。
冒頭の営業動画活用例
- 製造業向けなら「製造現場の部門間コミュニケーション課題」というテロップから開始
- 小売業向けなら「複数店舗の在庫管理効率化」という課題提示から開始
- SaaS営業向けなら「営業資料作成の時間短縮」という課題から開始
多くの企業は「弊社のサービスは〇〇です」という自社紹介から始めていますが、これは相手に「自分たちに関係ない」という判断を与えます。営業動画は「相手の課題を最初に提示する」ことが成功のカギです。
ポイント3:配置設計│営業プロセスごとに異なる動画を用意する
営業動画の効果は、「どこに置くか」という配置設計で大きく変わります。同じ動画をHP・メール・CRM・営業資料のすべてに置いても、効果は限定的です。
営業プロセス別の営業動画配置戦略
認識段階(HPやメール初回接触):相手の課題を認識させることが目的。30~60秒の短尺版で「あなたたちの課題について、うちは知ってます」というメッセージを伝える営業動画。
検討段階(CRMやメール二次接触):複数選択肢の中から自社を選んでもらうことが目的。1~2分で「他社との違い」「導入メリット」を示す営業動画。
意思決定段階(営業資料・最終提案):導入後のイメージを共有することが目的。導入後の運用風景や成功事例を示す2~3分の営業動画。
このように、営業プロセスの各段階に最適な営業動画を配置することで、見込み客の理解度が深まり、結果として商談化につながりやすくなります。
ポイント4:視聴数ではなく「商談化数」で測定する
営業動画の効果測定で最も多い誤りが、視聴数やマウスオーバー数を追うことです。営業動画の成功を測定する指標は、ただ1つです。
「その営業動画を見た後、商談化に至ったか」
営業動画を配置した後、必ず以下の指標を記録してください。
- 営業動画の視聴者数
- その後の問い合わせ数
- 商談化に至った数
- 受注数
例えば、営業メールに営業動画を組み込んだ場合、「視聴者200人のうち、商談化が10件」という具体的な数値を記録する。この場合の商談化率は5%です。その後、営業動画を修正して短尺化版を作り、同じチャネルに置き直した結果「商談化率が7%に上がった」という改善が見える化されます。
視聴数だけを追うと、「いかに長く見させるか」という間違った目的が生まれます。営業動画の本来の目的は「相手の課題を最短で理解させ、商談につなげること」なので、商談化数を測定することが正しい改善につながるのです。
ポイント5:短尺化・派生化による高速改善サイクル
最初から完璧な営業動画を作ろうとしてはいけません。営業動画は「最小スコープで早期検証」が鉄則です。
営業動画の派生化戦略
- まず1分の営業動画を制作して配置
- その反応を測定(視聴数、商談化数を記録)
- 反応が良ければ、30秒版・20秒版の短尺版を制作
- 異なるチャネルに配置して、どの長さが最適か測定
- 縦型版(SNS用)も制作して配信媒体を拡大
この営業動画の派生化により、小さな改善を何度も試すことが可能になります。同時に、修正費用も最小限に抑えられます。
営業動画の制作費用・期間・実装の注意点
営業動画の制作費用相場
営業動画の制作費用は、動画の内容・長さ・品質により大きく異なります。以下は一般的な相場です。
短編営業動画(30~60秒):30万~80万円
- 対象:商品紹介、課題認識、簡単な説明
- 内容:イラスト・テキスト・ナレーション
- 用途:メール、SNS、CRM上での配置
中尺営業動画(1~2分):80万~150万円
- 対象:導入メリット説明、比較訴求
- 内容:実写映像またはアニメーション+インタビュー
- 用途:営業資料、提案資料、HP掲載
長尺営業動画(3~5分):150万~300万円
- 対象:詳細説明、ケーススタディ、導入プロセス説明
- 内容:実写映像+CG+複数インタビュー
- 用途:オンボーディング、導入後の運用説明
複数派生版セット(1分版+30秒版+縦型版):150万~250万円
- 対象:同じコンセプトで複数チャネル対応
- 内容:モジュール化により効率的に制作
- 用途:HP・メール・CRM・SNS等で分散配置
※費用は制作会社、地域、映像クオリティにより大きく異なります。
営業動画の制作期間
営業動画の制作期間は、以下の流れで進みます。
ヒアリング・戦略立案:1~2週間
- 営業課題の洗い出し
- 営業動画の目的・ターゲット定義
- メッセージの芯決定
台本・構成案作成:1~2週間
- 営業動画の大まかな構成
- ナレーション台本案
- 修正対応
撮影・素材収集:1~3週間
- 実写撮影、またはアニメーション素材制作
- インタビュー撮影(必要に応じて)
編集・修正:2~3週間
- 動画編集
- 修正対応(1~2回)
- 最終納品
総制作期間:6~10週間(約1.5~2.5ヶ月)
迅速な対応を望む場合は、事前準備(営業課題の整理、出演者の確保、修正方針の事前決定)を進めることで、制作期間を短縮できます。
営業動画制作時の注意点・チェックリスト
営業動画の制作を依頼する前に、以下の準備を進めることで、制作をスムーズに進められます。
チェックリスト
☐ 営業課題は何か(何を解決したいのか)を言語化している
☐ 営業動画のターゲット(誰に見てもらいたいのか)を明確にしている
☐ 営業動画の配置先を決めている(HP・メール・CRM・営業資料など)
☐ 営業動画の長さの希望を決めている(30秒・1分・2分など)
☐ 出演者の確保ができているか(社員出演が必要な場合)
☐ 修正回数の上限を事前に決めている(通常2~3回)
☐ 納期に余裕を持たせている(急ぎの場合は費用増加の可能性)
☐ 著作権・肖像権の確認を行っている(使用素材が許諾されているか)
よくあるご質問(FAQ)
Q1:営業動画と通常の商品紹介動画の違いは何ですか?
A: 営業動画は「営業プロセスの中での説得・説明」を目的としているのに対し、商品紹介動画は「認知・ブランド構築」を目的としています。営業動画は短く、課題→解決というストーリーに特化しているのが特徴です。営業動画活用は、営業の実務に直結する成果(商談化数、受注数)を追うため、制作のアプローチが全く異なります。
Q2:営業動画の効果が出るまでどのくらい時間がかかりますか?
A: 営業動画を配置してから効果が数値化されるまで、通常は2~4週間を目安にしてください。その後、商談化数などの指標を見ながら、必要に応じて改善(短尺化、配置変更)を進めます。営業動画活用は「制作したら終わり」ではなく、継続的な改善の連続です。
Q3:営業動画は社内で自作できないのですか?
A: 技術的には可能ですが、効果的な営業動画の制作には「営業課題の言語化」「ターゲット定義」「メッセージ設計」という専門的なプロセスが必要です。多くの企業が自作した営業動画は「情報が多すぎる」「課題の提示がない」という理由で効果が出ません。プロの制作会社に依頼することで、制作期間の短縮と効果の確度が上がります。
Q4:営業動画は何本作るべきですか?
A: 営業プロセスの段階数によって異なります。基本的には、「認識段階」「検討段階」「意思決定段階」の3段階それぞれに1本ずつ、合計3~5本を準備することをお勧めします。その後、反応を見ながら派生化(短尺版・縦型版)を進めます。
Q5:営業動画の効果測定はどのツールでできますか?
A: HPに埋め込む場合はGoogle Analytics、メール配信の場合はメール配信ツールの開封率・クリック率、CRM配置の場合はCRM上の閲覧履歴機能を使用します。大事なのは、「視聴数」ではなく「その後の営業アクション(問い合わせ、商談化、受注)」との紐付けです。
営業動画制作のご相談
営業課題を解決するための営業動画制作については、まずは目的・ターゲット・メッセージの芯を言語化することから始まります。「複雑な商材をどう説明するか」「営業資料の説得力をどう上げるか」といった悩みを持つ企業担当者様向けに、時間無制限の無料相談を常時受け付けています。
営業動画活用の戦略から制作まで、貴社の営業課題に合わせた具体的なアプローチをご提案させていただきます。
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営業動画の制作についてご不明な点、実装のご相談については、以下からお気軽にお問い合わせください。営業課題の整理から、最適な営業動画の形まで、一緒に考えさせていただきます。
また、当社の営業動画制作実績をご確認いただくことで、具体的な完成イメージをお持ちいただけます。
まとめ
営業動画の効果を左右する要因は、制作のクオリティではなく、設計のクオリティです。視聴数ではなく商談化数を追い、段階的な配置設計を進め、短尺化・派生化による改善サイクルを回すこと。これらが営業動画を「営業資産」に変える秘訣です。
営業課題を持つ企業の皆様は、ぜひ営業動画活用の検討を進めてみてください。

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