動画を公開したものの、「作ったけれど効果があったのか分からない」と感じていませんか。動画は公開した時点では完成ではなく、目的を決め、数字で確かめ、直していくことで初めて成果につながります。この記事では、動画活用で大切な「目的」と「測り方」を、初めての方にも分かるように整理します。読み終えたときには、自社の動画を「何のために作り、何を見れば成果か分かるのか」を言葉にできるようになります。
動画活用の成果が見えにくい理由
目次
動画を作ったのに成果が見えない原因は、多くの場合、動画そのものの出来よりも、作る前の設計にあります。ここでは、よくある2つのつまずきを見ていきます。
目的が決まらないまま作ってしまう
「とりあえず会社の動画を作ろう」という形で始めると、誰に何を伝えたいのかが曖昧になりがちです。たとえば、新規の顧客に知ってもらいたいのか、既存の顧客に使い方を伝えたいのか、採用候補者に会社の雰囲気を知ってほしいのかで、動画の内容はまったく変わります。目的が決まっていないと、完成した動画が誰にも刺さらない状態になってしまいます。
再生数だけを見て判断してしまう
公開後によく見られるのが、再生数だけで成功か失敗かを決めてしまうケースです。再生数は確かに分かりやすい数字ですが、その動画の目的に対して意味のある数字かどうかは別の問題です。問い合わせを増やしたい動画なのに、再生数だけを見て「思ったより伸びていない」と判断すると、本来の課題を見逃してしまいます。
目的の決め方:動画は「何のため」に作るのか
動画の目的は、大きく「認知」「理解」「行動」の3つに分けて考えると整理しやすくなります。認知は「知ってもらう」、理解は「内容を正しく分かってもらう」、行動は「問い合わせや資料請求などの次の一歩を踏み出してもらう」ことです。
認知・理解・行動のどこを変えたいかで分ける
たとえば、新しいサービスを紹介する動画であれば、まず「知ってもらう」ことが目的になります。一方、導入後の操作方法を伝える動画であれば、「理解してもらう」ことが目的です。そして、商品の比較検討を助ける動画であれば、「行動につなげる」ことが目的になります。どの段階の読者を動かしたいのかを先に決めると、動画の構成も測るべき数字も自然に定まります。
見せる相手を一人に絞る
目的を決める際には、見せたい相手を具体的に一人イメージすることも有効です。「中小企業の経営者」よりも、「社員向けの説明資料を作る手間を減らしたい総務担当者」のように、状況が分かる形で描くと、動画の言葉選びや尺の長さが決めやすくなります。
目的に合わせて測るべき指標の選び方
目的が決まったら、次はその目的に合った指標を選びます。ここでは、指標の意味と組み合わせ方を整理します。
再生数・視聴維持率の意味を知る
再生数は、動画がどれだけ見られたかを示す数字です。視聴維持率は、動画のどのあたりで視聴者が離れたかを知る数字です。再生数は「届いた量」、視聴維持率は「内容が見られ続けたか」を表すと考えると分かりやすいでしょう。どちらも、動画の冒頭が分かりやすいか、途中の構成が適切かを判断する材料になります。
成果に近い指標を置く
認知や理解の目的であっても、最終的には問い合わせや商談、応募といった成果につなげたいはずです。そのため、再生数の横に、問い合わせ件数、資料請求数、応募数など、成果に近い指標を置いておくことが大切です。動画を見た後に、ページのどこへ移動したか、どのくらいの人が次の行動に進んだかを確認できると、動画の役割がより明確になります。
指標を組み合わせて読むコツ
単独の数字だけで判断せず、組み合わせて読むことが重要です。たとえば、再生数は多いのに問い合わせがない場合、動画の内容は見られているものの、最後に行動を促す流れが不足している可能性があります。逆に、再生数は少ないものの視聴者の多くが最後まで見ている場合は、届け方を工夫すれば成果につながる余地があります。数字の組み合わせから、どこを直すべきかを考える習慣が大切です。
東芝の事例に見る「目的」と「測定」の設計
ここでは、東芝グループの公開情報から、目的と測定の考え方が分かる事例を取り上げます。なお、以下の事例は、東芝デジタルマーケティングイニシアティブが支援した顧客企業の事例と、東芝自身が採用のために公開している動画の2種類です。性質が異なるため、区別して読んでください。
東芝DMIの支援事例:分析と改善を繰り返す支援内容
東芝デジタルマーケティングイニシアティブは、動画マーケティングを企画・制作から運営、分析まで一括で支援しています。公開されている導入事例では、ある顧客企業において、1年間でチャンネル登録者数が3倍、総再生時間が2.6倍、視聴回数が2.8倍に増えたと紹介されています。ただし、この数字は社名が公開されていない1社の事例であり、どの施策がどれだけ効いたかを一般化して断定することはできません。
ここで参考になるのは、数字の大きさそのものよりも、分析と改善を繰り返す仕組みです。同社の支援内容には、視聴回数や視聴者の属性を可視化し、強みと弱みを見つけて改善案を出す分析が含まれており、PDCAを繰り返す考え方が示されています。また、導入事例では、顧客側の要望として「月1回のデータ分析・提案」も挙げられています。目的に対して数字を読み、次の動画に反映するという流れは、社内で動画を運用する際にも応用しやすい考え方です。
東芝の採用動画:知りたい情報ごとに動画を分ける発想
東芝の新卒採用サイトには、採用動画ギャラリーがあります。ページは「東芝の仕事を知る」「社員のリアルを知る」「企業ブランド広告」という3つの見出しで構成されており、仕事を知るためのセミナーや社員インタビュー、ブランド広告などが並んでいます。
ここで注目したいのは、知りたい情報ごとに動画を分けている点です。仕事内容を知りたい人、社員の声を聞きたい人、会社の姿勢に触れたい人が、それぞれ目当ての動画にたどり着けるようになっています。この区分は公式の見出しをもとにしたもので、「どの区分が成果につながったか」は公開されていません。目的を細かく分けて設計するという考え方の参考として読んでください。
動画活用のメリットとデメリット(目的と測定の観点から)
メリット
動画の大きな利点は、文章や写真では伝えにくい内容を、短時間で届けられることです。製品の使い方や職場の雰囲気など、映像だからこそ伝わる情報があります。また、目的と測定がセットで設計されていれば、数字をもとに改善を重ねられる点も強みです。作って終わりではなく、結果を見て直せるため、動画の価値が時間とともに育っていきます。
さらに、一度作った動画を、サイト、SNS、説明会、社内研修など、複数の場面で使い回せることもメリットです。目的が明確であれば、どの場面で使うかも判断しやすくなります。
デメリット
一方で、目的と測定の設計を省くと、動画は成果が見えないまま終わってしまうリスクがあります。指標が曖昧なままでは改善の方向性も定まらず、制作にかけた時間や費用が活かされにくくなります。
また、動画は公開後の更新が必要になることもあります。製品や採用情報が変われば、動画も見直す必要があり、そのための手間は継続的にかかります。費用や制作の進め方は、内容や規模によって変わるため、目的と予算をセットで考えることが現実的です。
よくある質問
Q1:再生数が少ないのは失敗ですか
必ずしも失敗とは言えません。動画の目的が「認知」であれば、再生数は重要な指標になりますが、「行動」が目的であれば、問い合わせや資料請求などの数字を優先して確認する必要があります。まずは、その動画が何のために作られたのかを振り返ることが大切です。
Q2:効果測定はどのくらいの期間で見ればいいですか
一般的には、公開直後の数字だけで判断するのではなく、一定の期間をおいて傾向を見ることが望ましいとされています。期間の目安は目的や配信の頻度によって変わるため、自社の状況に合わせて決めるのが現実的です。
Q3:社内に分析の担当者がいなくても大丈夫ですか
分析の担当者がいなくても、まずは「目的」「指標」「見る頻度」の3点を決めておけば、数字を追いかけることは十分に可能です。最初から複雑な分析を目指す必要はありません。
Q4:目的がまだ決まっていない段階で相談してもいいですか
目的が固まっていない段階でも問題ありません。どのような課題があり、何を変えたいのかを整理するところから一緒に考えることもできます。
まとめ:目的と測り方をセットで考える
動画活用で成果を出すために大切なのは、作る前に「何のために作るのか」を決め、その目的に合った数字を測ることです。認知・理解・行動のどこを変えたいのかを整理し、再生数や視聴維持率に加えて、問い合わせや応募といった成果に近い指標を置いておく。この2つを押さえるだけで、動画は「作って終わり」から「改善を続けられる資産」へと変わります。
今日からできる一歩
自社で既に公開している動画を一つ選び、次の3点を書き出してみてください。「誰に見せたいのか」「見た後にどう動いてほしいのか」「それを確かめるための数字は何か」。この3点が書けない場合は、目的や測定の設計が不十分な可能性があります。その気づきが、動画を見直す最初の一歩になります。
相談のご案内
まだ目的が固まっていない段階でも大丈夫です。「何から考えればいいか分からない」という状態からでも、動画の目的や見せ方を一緒に整理できます。お気軽にご相談ください。
相談はこちらからできます → https://business-accel-movie.com/contact/

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