動画マーケティングの事例に学ぶ|買い替えが長い商材の接点づくり

買い替えの周期が長い商品を扱っている企業では、「次に買ってもらうまでの間、何をすればいいのか」という悩みが生まれやすいものです。商談のない時期が長く続くと、お客様の頭からこちらの存在が薄れていく。そんな不安を感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、買い替えの周期が長い商材で接点を保つ方法の一つとして、動画をどう活用できるかを整理します。動画マーケティングという言葉で検索された方にも、その中身がどう接点づくりに結びつくのかが分かるように書いています。読み終えたときに、自社の商材で「どんな接点が作れそうか」を考えるヒントを持ち帰っていただけたら嬉しいです。


買い替えが長い商材で「接点が切れる」問題

まず、買い替えの周期が長い商材がなぜ接点を失いやすいのかを考えてみます。

農業機械は、その代表例です。農業機械は高額で、買い替えの周期が約7年から15年と長い商材です。一度購入されると、次の買い替えまでに何年もの時間が空きます。その間に、お客様の経営環境や関心は少しずつ変わっていきます。

買い替え周期が長いと、なぜ途切れやすいのか

買い替えの周期が長いと、購入の検討が始まるタイミングが読みにくくなります。お客様が「そろそろ替えようか」と考え始めたときに、真っ先に思い出してもらえるかどうかが勝負になります。

ところが、何年も連絡を取っていないと、その間に競合が印象に残ってしまうことも少なくありません。接点を失うことは、次の機会を別の会社に譲ることにつながります。

営業だけに頼る場合の限界

これまで多くの企業では、営業担当者が顧客を訪問し、関係を保ってきました。クボタも、農家を訪問して販売するスタイルが中心で、顧客密着のきめ細かな営業とアフターサービスを強みにしてきた会社です。

しかし、担い手農家の増加などで顧客のニーズは多様化しています。一人の営業担当者がすべてのお客様と定期的に関わり続けるのは、現実的に難しくなります。そこで、営業の手が届かない時期の接点を、別の手段で補う必要が出てきます。


接点づくりに動画が使える理由

では、その補う手段として動画はどう役立つのでしょうか。ここでは、動画の特徴を二つの面から整理します。

動画は「思い出される」きっかけになる

動画は、文章や資料よりも印象に残りやすい表現です。商談がない時期でも、企業の姿勢や製品の考え方を繰り返し届けることで、お客様の記憶に残りやすくなります。

クボタは、企業広告「壁がある。だから、行く。」のシリーズで、アフリカの農業、中東の水インフラ、フランスの建設機械など、国や事業ごとに異なる切り口を通じて、同じ姿勢を伝えています。このシリーズは2017年に始まり、事業ごとにテーマを分けて発信されています。同じ世界観を繰り返し見せることで、企業の考え方が自然と伝わる仕組みになっています。

文章では伝わりにくい性能を「証明」として見せられる

製品の性能は、文章で説明しても伝わりにくいことがあります。とくに、目に見えない部分や、実際の強度に関わる部分は、映像で見せたほうが安心材料になります。

クボタの製品サイトには、耐震型ダクタイル鉄管の性能確認試験の動画があります。管路を吊り上げて強度を確かめる様子を映したもので、「本当に大丈夫なのか」という疑問に映像で応えている例といえるでしょう。水道管は地面の下にあって普段は見えないからこそ、このような見せ方に意味があります。

※ここで挙げた動画の効果は一般論としてお伝えしています。動画そのものが成果を生んだと断定できる事例は、今回確認した範囲にはありません。


接点づくりの事例:クボタの取り組み

ここからは、クボタの取り組みを接点づくりの視点で整理します。

企業広告で企業の姿勢を繰り返し伝える

前述の「壁がある。だから、行く。」シリーズは、新聞・雑誌広告を軸に展開されています。公式サイトでは、主に新聞・雑誌広告として紹介されており、テレビCMも放映されてきました。同じメッセージを、事業ごとに異なる題材で伝えているのが特徴です。

どの篇も、製品の機能を並べるのではなく、「なぜその仕事が必要なのか」を見せています。商談前のお客様にとっても、企業の考え方を知るきっかけになります。

公式YouTubeで利用者の声を届ける

クボタの公式YouTubeチャンネルには、農業用ドローンのユーザーインタビューや、農業ソリューションのお客様活用事例が公開されています。実際に使っている人の声は、導入を検討する方にとって「自分と同じ立場の人がどう使っているか」を知る材料になります。

メルマガとWeb施策で営業を支えた例

クボタは、Adobe Marketo Engageというツールを導入し、2021年4月からメルマガ「Kubota NEWSLETTER」の配信を始めました。月に1回、農家の課題を起点にした内容を届け、導入事例では開封率40%超という反応が紹介されています。

ただし、これは動画の効果ではなく、メルマガやWeb施策によるものです。動画と組み合わせた成果として断定できる事例は確認できていません。接点づくりの仕組みとして、動画と他の施策がそれぞれどんな役割を持つのかを整理する材料として読んでいただければと思います。

また、メルマガの内容を顧客目線で揃えるために、社内でチェックシートを使った例もあります。取材時点(2023年9月)では、このチェックシートの導入後、開封率が安定して40%以上を保つようになったとされています。


動画を接点づくりに使うときのメリットとデメリット

メリット

動画を接点づくりに使う大きなメリットは、商談がない時期にも企業の姿勢を届けられることです。文章や資料よりも印象に残りやすく、お客様が「あの会社は今も発信しているな」と感じるきっかけになります。

また、製品の性能を映像で証明できる点も、動画ならではの利点です。とくに強度や施工の様子など、言葉だけでは伝わりにくい内容に向いています。

デメリット

一方で、見せたい内容が曖昧なまま動画を作ると、効果を実感しにくくなります。「何を伝えたいのか」「誰に見てほしいのか」が決まっていないと、どの動画が接点づくりに役立ったのかも判断できません。

また、動画は企画から制作、更新まで手間がかかります。内容が古くなったときに差し替える仕組みがないと、接点を保つどころか、かえって古い情報を届けることにもなりかねません。


動画マーケティングに関するよくある質問

Q1:買い替え周期が長い商材でも、動画は効果がありますか?

買い替えの周期が長いからこそ、動画は役立つ可能性があります。商談がない時期にも企業の姿勢や製品の考え方を届けられるため、次の検討が始まったときに思い出してもらいやすくなります。ただし、効果の大きさは商材や運用の仕方によって異なるため、一般論として考えてください。

Q2:どんな動画から作ればよいですか?

まずは、「お客様に一番知ってほしいこと」を一つに絞ることをおすすめします。製品の性能を証明したいのか、企業の姿勢を伝えたいのかによって、適した動画の形は変わります。最初から多くを盛り込まず、目的がはっきりした動画から始めると、効果を確認しやすくなります。

Q3:社内に動画の知識がなくても相談できますか?

はい、相談は可能です。動画の知識がない段階でも、「どんな接点を作りたいか」「どんなことを伝えたいか」を整理するところから始められます。まだ具体的な形が決まっていなくても、お気軽にご相談ください。


まとめ:買い替えが長い商材こそ、接点づくりの手段を考える

買い替えの周期が長い商材では、次の機会が来るまでの間に接点を切らさないことが大切です。営業だけに頼るのが難しくなった今、動画は企業の姿勢や製品の性能を届ける手段として使えます。

クボタの事例からは、動画が企業広告や製品説明、利用者の声を届ける役割を担っていることが分かります。一方で、メルマガやWeb施策のように、他の施策と組み合わせて接点を保つ仕組みも重要です。動画だけで成果を出すのではなく、それぞれの役割を整理して組み合わせることが、接点づくりの第一歩になります。

まずは、お客様に次に思い出してほしい場面を一つ考えてみてください。その場面で何を見せたいかが分かれば、動画を使うかどうかの判断もしやすくなります。

「どんな接点が作れそうか整理してみたい」という段階でも構いません。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

👉 お問い合わせはこちら

制作の実績は、こちらのWorkからご覧いただけます


Tags:

Comments are closed