「動画を作ったのに、思ったより問い合わせが来ない」
動画制作に取り組む企業担当者から、こういった声をよく聞きます。
再生数はそこそこある。内容も悪くない。でも、なぜか次のアクションにつながらない。
この状況の原因のひとつが、動画のエンディング設計にあります。
本記事では、動画が「見られて終わり」になってしまう理由と、商談化につながるエンディングの考え方を、実務的な視点で解説します。動画制作の依頼を検討している方に向けて、費用感や進め方についても触れています。
目次
目次
- 動画の成果が出ない、本当の原因
- なぜ「最後の印象」が行動を決めるのか
- 商談化につながるエンディング設計の3原則
- 動画制作を依頼する前に確認すべきこと
- 制作の流れと費用の目安
- よくある質問
動画の成果が出ない、本当の原因
「再生数」と「成果」は別物
動画マーケティングに取り組む企業の多くが、最初に注目するのは再生数や視聴維持率です。
もちろん、これらは重要な指標です。しかし、再生数が増えても問い合わせが増えないという状況は、多くの企業で起きています。
原因のひとつは、「動画を見た後、視聴者が何をすべきか」が設計されていないことです。
どれだけ内容が良くても、動画が終わった瞬間に「次に何をすればいいかわからない」状態では、視聴者はそのまま離脱します。
冒頭だけ磨いても限界がある
動画制作の現場では、「冒頭3秒でいかに離脱を防ぐか」が重視されることが多いです。
これは正しい考え方です。ただ、冒頭を整えるだけでは商談化率は上がりません。
視聴者が動画を最後まで見たとき、その後の行動を決めるのは「エンディングで何を受け取ったか」です。ここを整えることが、再生数を成果に変えるための鍵になります。
なぜ「最後の印象」が行動を決めるのか
ピーク・エンドの法則とは
心理学者のバーバラ・フレデリクソンとダニエル・カーネマンらが1993年に発表した研究に、「ピーク・エンドの法則」と呼ばれる考え方があります。
※ カーネマンは2002年にノーベル経済学賞を受賞した研究者ですが、専門は心理学です。
この法則は、人は体験を「最も感情が動いた瞬間(ピーク)」と「最後の瞬間(エンド)」で評価するというものです。体験全体の平均ではなく、この2点が記憶と判断を左右します。
実験で証明された「終わりの力」
1993年の研究では、被験者に2種類の不快な体験をさせました。
- 第1試行:14℃の冷水に60秒手を浸す(不快なまま終了)
- 第2試行:14℃の冷水に60秒 → さらに30秒、水温を15℃に上昇させて終了
客観的には第2試行のほうが苦痛の時間が長いにもかかわらず、被験者の約80%が第2試行の繰り返しを希望しました。
「最後が少し楽だった」という印象が、体験全体の評価を塗り替えたのです。
動画に置き換えると
この法則は、営業動画にもそのまま当てはまります。
内容が良くても、エンディングが「以上です」で終わる動画は、「なんとなく良かった」という曖昧な印象しか残りません。
逆に、エンディングに明確な意図を持たせると、視聴者の「次に動きたい」という気持ちを自然に引き出せます。
商談化につながるエンディング設計の3原則
エンディングに何を置くかで、動画の機能は大きく変わります。以下の3つを設計段階から意識してください。
原則①|CTAは1つに絞る
CTA(コール・トゥ・アクション)とは、視聴者に次の行動を促す仕掛けのことです。「資料請求はこちら」「お問い合わせはこちら」といったボタンや案内がこれにあたります。
エンディングに複数のCTAを並べると、視聴者は選択肢の多さに迷い、結果として何もしないという判断をします。これは心理学で「選択のパラドックス(バリー・シュワルツ提唱)」と呼ばれる現象です。
エンディングに置くCTAは1つだけ。
「まずは資料を見る」「相談だけしてみる」など、視聴者に求める次の行動を一点に絞ることが重要です。
原則②|「視聴完了後」の動線を設計する
動画を最後まで見た人は、関心度が高い状態にあります。
このタイミングを活かすためには、動画単体で完結させるのではなく、視聴後に次のコンテンツや問い合わせページへ自然につながる導線を事前に設計しておく必要があります。
具体的には以下のような方法が有効です。
- エンディングで「次のステップ」を1文で案内する
- 動画の概要欄やページ上に問い合わせリンクを設置する
- メールやCRM(顧客管理システム)との連携で、視聴後のフォローアップを自動化する
原則③|「今すぐでなくていい」という安心感を伝える
BtoBの購買プロセスでは、動画を見てすぐに問い合わせる人は多くありません。
視聴から数日後に「そういえばあの動画が気になって」と問い合わせが来るケースは、実務ではよく起きます。
これはピーク・エンドの法則の特性で、記憶に残った印象は時間を超えて行動を引き出すことがあります。
エンディングで「今すぐでなくても大丈夫です」「気になったときにどうぞ」という安心感を伝えておくことで、後日の問い合わせを引き出す伏線になります。
急かすエンディングより、余白のあるエンディングのほうが、BtoBでは機能することが多いです。
動画制作を依頼する前に確認すべきこと
目的と視聴者を先に言語化する
動画制作を外部に依頼する際、多くの企業が「まずデザインやクオリティの話」から始めます。
しかし、「誰に・何を・どう伝えるか」が定まっていない状態でビジュアルを決めると、作り直しのリスクが高くなります。
依頼前に整理しておきたい項目は以下の通りです。
- この動画を誰に見せるのか(既存顧客/新規見込み客/採用候補者など)
- 視聴後に何をしてほしいのか(問い合わせ/資料請求/理解促進など)
- どこで使うのか(HP/営業メール/展示会/SNSなど)
この3点が明確になっていると、制作会社との打ち合わせがスムーズになり、完成後の効果測定もしやすくなります。
「1本で全部伝えようとしない」が鉄則
企業担当者が陥りやすいのが、1本の動画にすべての情報を詰め込もうとすることです。
視聴者の集中力には限界があります。特にBtoBの動画では、30秒〜1分30秒程度の短い尺で、メッセージを1つに絞ることが基本です。
複数の用途がある場合は、用途別に動画を分けることを検討してください。
- 新規顧客向け:サービス紹介動画(60秒)
- 既存顧客向け:オンボーディング動画(3〜5分)
- 採用向け:職場紹介・インタビュー動画(2〜3分)
制作の流れと費用の目安
一般的な制作の流れ
動画制作の依頼から納品までの流れは、制作会社によって異なりますが、一般的には以下のステップで進みます。
Copy① ヒアリング・目的整理(1〜2週間)
↓
② 構成・台本作成(1〜2週間)
↓
③ 制作・アニメーション(2〜4週間)
↓
④ 修正・確認(1〜2週間)
↓
⑤ 納品・配信設定
合計:1〜2ヶ月程度が目安です。急ぎの案件はスケジュールを事前に相談してください。
費用の目安について
動画制作の費用は、尺・アニメーションの複雑さ・修正回数などによって大きく異なります。
詳細な費用については、当サイトの料金ページをご参照ください。
目安感だけ確認したい場合も、無料相談で個別にお伝えできます。
よくある質問
Q1. 動画は短いほど良いのですか?
一概には言えません。用途によって適切な尺は異なります。新規見込み客向けのサービス紹介なら30〜90秒、既存顧客向けの操作説明なら3〜5分が目安です。「何のための動画か」を先に決めることで、適切な尺が自然と決まります。
Q2. 社内に動画の知識がなくても依頼できますか?
はい、問題ありません。目的・視聴者・使用場所の3点をざっくりと整理していただければ、構成から一緒に考えます。「何から話せばいいかわからない」という状態でのご相談も歓迎しています。
Q3. 1本作ったら、どのくらい使えますか?
動画は一度作ると、HPや営業メール・展示会・SNSなど複数の場面で繰り返し使えます。ただし、サービス内容や料金が変わった場合は内容の見直しが必要になります。制作時に「派生展開のしやすい構成」にしておくと、後の修正コストを抑えられます。
Q4. アニメーション動画と実写動画、どちらが良いですか?
用途と予算によって異なります。アニメーション動画は、サービスの仕組みや抽象的な概念を視覚的に説明するのに向いています。実写は信頼感や温度感を伝えやすい一方、撮影の段取りが必要です。どちらが適しているか迷う場合は相談ください。
Q5. 動画の効果はどうやって測ればいいですか?
視聴完了率・クリック率などの数値に加え、動画経由の問い合わせ数や商談化率を追うことをおすすめします。「再生数が多いから良い動画」とは限りません。目的に応じた指標を最初に設定しておくと、改善の判断がしやすくなります。
まとめ
営業動画が「見られて終わり」になってしまう原因の多くは、エンディングの設計が後回しにされていることにあります。
心理学の知見が示す通り、人は体験を「最後の印象」で記憶します。どれだけ内容が良くても、エンディングが曖昧では行動につながりません。
今日から実践できることは、自社の動画エンディングを見直すことです。
- CTAが1つに絞られているか
- 視聴完了後の導線が設計されているか
- 「今すぐでなくていい」という安心感が伝わっているか
この3点を確認するだけで、動画の機能は大きく変わります。
動画のエンディング設計や構成について、「自社の場合はどう考えればいいか」と気になった方は、以下からご相談ください。
目的の整理から一緒に進めます。費用や制作期間についても、ご状況に応じてお伝えします。

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