「研修動画を作りたいけれど、どんな形式にすればいいか分からない」「営業説明の動画化で本当に成果が出るのか」—こうした課題を抱える企業担当者は多いのではないでしょうか。本記事では、企業動画の種類、効果測定の方法、実際の制作費用・期間、そして失敗しないための注意点までを、実例を交えて解説します。
そもそも企業動画とは何か
目次
企業動画とは、営業活動・採用・研修・サービス説明など、ビジネス目的で制作される動画全般を指します。YouTubeなどの外部配信ではなく、社内システム・メール・HP・CRM・DMなどを通じて、限定的に配信されることが多いのが特徴です。
デジタル化が進む企業現場では、従来の資料や説明会に加えて、動画による情報提供が標準になりつつあります。特に、リモートワークやオンボーディング(新入社員研修)が重視されるようになった2020年以降、企業動画への需要は急速に高まっています。
企業動画の種類と期待できる効果
企業動画は、用途に応じて大きく5つのカテゴリに分かれます。
コンプライアンス・研修動画
社員教育を目的とした動画です。パワハラ・セクハラ防止、新入社員教育、営業スキル研修など、テーマは多岐にわたります。
期待できる効果
- 理解度が従来の資料型より高まる
- 記憶定着率の向上
- オンライン環境での研修実施が可能に
- 繰り返し視聴できるため、学習効果が持続
Forrester Researchの調査では、従業員は文書資料より動画を75%多く視聴することが判明しており、正しく制作された研修動画は高い学習効果をもたらします。
サービス・商品紹介動画
自社製品やサービスの特徴を、営業が説明するのではなく、動画で視覚的に伝える形式です。営業資料として営業活動で活用されたり、HPに掲載されたりします。
期待できる効果
- 営業のトークタイムが削減される
- 複数の見込み客に同一内容を高速で説明できる
- 商談化率の向上
- 営業の属人性を排除できる
オンボーディング動画(入社研修)
新入社員が入社直後に視聴する動画です。会社のルール、業務フロー、社内システムの使い方などを、短編動画で段階的に学びます。
期待できる効果
- 配置転換時の立ち上がり期間の短縮
- 教育を受ける側の不安が軽減される
- 教育する側の時間コスト削減
採用動画(リクルーティング)
求職者に向けて、企業文化や現場の雰囲気を伝える動画です。応募質の向上や早期離職の防止に効果があります。
期待できる効果
- 応募者数の増加
- 企業理解が深い人材の採用
- 採用後のミスマッチ削減
営業説明動画
顧客向けの提案資料として機能する動画です。営業が顧客先で再生して説明に使用します。
期待できる効果
- 提案時間の短縮
- 複雑な内容が視覚的に理解しやすくなる
- 顧客の疑問が減少する
弁護士ドットコムの事例に見る「ドラマ形式動画」の効果
大手法律サービス企業である弁護士ドットコムは、2020年からコンプライアンス研修を「ドラマ形式」で提供し、現在46本のラインナップを展開しています。従来の講義型動画ではなく、パワハラやセクハラなどの違反事例を、実際の職場シーンで再現する方式です。
なぜドラマ形式なのか
- 受講者が「他人事」ではなく「自分の職場で起こり得る出来事」として認識できる
- 知識が「情報」から「使える判断基準」に変わる
- 約10分というコンパクトな長さで、オンライン環境での集中力を維持できる
実際の効果: 受講後のアンケートでは「実際の業務場面をイメージしやすかった」という回答が多数。理解度と定着率が従来の資料型より高い傾向が確認されています。このモデルの成功により、2025年には新作9本が追加され、さらに拡充される予定です。
企業動画を制作する際の3つの重要なポイント
ポイント1:目的と視聴者を明確に定義する
最初にやるべきことは、「この動画を誰に見てもらい、どのような行動や理解を期待するのか」を言語化することです。
例:
- 「新入社員に、退職後3ヶ月で営業ツールの基本操作ができるようになってもらう」
- 「営業が商談時に使い、顧客が30分以内に商品の価値を理解する」
この定義がぶれると、制作後に「期待と異なる動画ができた」という失敗が生じます。
ポイント2:配信方法を事前に決める
動画の長さ、フォーマット、テロップの有無などは、配信方法によって変わります。
例:
- 社内メール配信:60秒以下、ファイルサイズ小
- システム内LMS配信:5~10分、高画質対応
- 営業が提案時に使用:1~3分、操作性重視
配信方法が決まっていないと、制作後に「別形式が必要」となり、追加費用が発生します。
ポイント3:効果測定の設計を制作前にする
動画を作るだけでは、効果は見えません。視聴率、視聴時間、アンケート、その後の行動変化など、「何を測定するか」を事前に決める必要があります。
よくある測定指標
- 視聴完了率
- 関連テストの点数
- その後の商談化率
- 研修受講者の実務での行動変化
企業動画の制作費用と期間の目安
費用の相場
企業動画の費用は、形式・長さ・ラインナップ数によって大きく異なります。
短編動画(30秒~1分)
- シンプルな解説動画:10万~30万円
- ドラマ形式(出演者・セット必要):30万~100万円
中編動画(3~10分)
- 講義型:20万~50万円
- ドラマ形式+編集:50万~150万円
複数本制作(まとめ制作)
- 3本以上の同時制作で、1本あたり20~30%割引が一般的
- 弁護士ドットコムのような46本規模では、スケールメリットで大幅なコスト削減が実現
追加コスト要因
- 修正回数(事前に「修正2回まで」など上限を決めることが重要)
- 出演者キャスティング
- ロケーション撮影(社内撮影より高コスト)
- 生成AI素材の使用
制作期間の目安
通常のスケジュール
- 企画・打ち合わせ:1~2週間
- 台本作成:1週間
- 撮影:1~2日
- 編集・修正:1~2週間
- 納品:合計3~4週間
短縮が可能な場合
- 台本が既にある
- 社内で撮影できる(ロケなし)
- 修正が少ない
期間が延びる原因
- 修正依頼が多い
- 出演者のスケジュール調整に時間がかかる
- 社内承認プロセスが長い
よくある質問(FAQ)
Q1:「制作費用10万円」と「100万円」の動画は何が違うのか?
A: 主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 10~30万円 | 50万円~ |
|---|---|---|
| 形式 | シンプル解説/スライド | ドラマ/ロケ撮影 |
| 出演者 | ナレーションのみ | 複数の役者/セット |
| 編集 | 基本的なカット/テロップ | 複雑な効果/複数カット |
| 対応時間 | 短編(30秒~1分) | 中~長編(3分~10分) |
安い=悪い、ではなく、目的に合わせた適切な予算を設定することが重要です。
Q2:「どのくらい効果が出るのか」を事前に予測できるか?
A: 動画自体の効果は、配信方法・対象者・実装後のフォローで大きく変わります。ただし、以下の指標で事前に検討は可能です。
- Forrester Researchの調査では、従業員は文書より動画を75%多く視聴
- Panoptoの研究では、動画研修は対面型より49%エンゲージメントが高い
ただし、これらは「正しく制作・配信された動画」の場合です。退屈な動画では、これらの効果は得られません。
Q3:修正回数に制限はあるのか?
A: 制作会社によりますが、事前に「修正〇回まで」と定めることが重要です。修正が多すぎると、納期が延びたり追加費用が発生したりします。
推奨:修正は2~3回程度を想定
修正内容を「大きな方向性の変更」「細かい表現の修正」に分けて依頼すると、スムーズです。
Q4:既存の資料や写真を活用して、制作費用を下げられるか?
A: ある程度は可能ですが、以下の点に注意が必要です。
- 写真は「著作権フリー」「利用許諾済み」である必要がある
- 既存の営業資料をそのままスライドにすると、見づらい動画になりやすい
- 素材が限定的だと、クリエイティブの質が低下することがある
事前に「どの素材が活用できるか」を相談することで、バランスの取れた価格設定が実現します。
Q5:制作後の配信・運用はどのように進めるのか?
A: 配信方法によって異なります。
社内メール配信: 提供されたファイルを自社で配信 LMS・CRM連携: 導入済みのシステムに組み込み HP掲載: 自社HPに埋め込む
弊社では、配信・運用に関するアドバイスも提供可能です。
まとめ:企業動画は「制作」ではなく「運用」で成果が決まる
企業動画の効果は、制作の質ももちろん重要ですが、その後の配信・測定・改善で大きく左右されます。
目的が曖昧なまま制作を進めると、出来上がった動画が活用されず、費用が無駄になるケースも少なくありません。逆に、目的を明確にして、配信方法・測定方法を事前に設計すれば、企業動画は確実に成果を生み出すツールになります。
弁護士ドットコムのように46本のコンテンツを提供し続けることができるのも、実績があり、企業からの需要が確実だからです。
最後に
もし「うちの場合、どんな動画が必要か分からない」「効果的な配信方法が不確かだ」といった課題をお持ちでしたら、まずは一度ご相談いただければと思います。
貴社の目的・予算・スケジュールをお聞きした上で、最適なアプローチを提案させていただきます。
ポートフォリオ(制作実績)も掲載していますので、参考にしていただけます。
時間に余裕を持ってご相談いただければ、より詳細なご提案が可能です。

Comments are closed