オンライン営業に切り替えたけれど、成約率が思うように伸びない。メールや電話だけではお客さんが納得してくれない。対面営業のような説得力をオンラインで出すにはどうしたらいいのか—こうした課題を抱える営業マネージャーやマーケティング担当者は少なくありません。
その解決策として、今、営業動画制作が注目を集めています。オンライン営業では、視覚と音声を組み合わせた営業動画が、メールや電話以上の説得力を発揮するのです。本記事では、オンライン営業の成約率を高める営業動画制作の方法、費用相場、外注時の注意点について、実務的に解説します。
オンライン営業で営業動画制作が必要な理由
目次
オンライン営業の3つの課題
オンライン営業が主流となった今、営業現場では新たな課題が生まれています。
課題1:営業担当者の説明にムラが出やすい
対面営業では、営業担当者が顧客の反応を見ながら説明を調整できました。しかし、オンライン営業ではビデオ通話やメールが中心となり、営業担当者ごとに説明の質がばらついてしまいます。結果として、同じ商品なのに説得力に大きな差が生まれるのです。
課題2:顧客との心理的距離が広がる
対面では握手や目線で信頼を築けましたが、オンライン営業では画面越しのやり取りになります。この心理的な距離の広がりが、顧客の購買決定を遅らせる要因となります。
課題3:営業訪問の機会が減り、営業コストが増加
移動時間の削減は一見メリットですが、実際には営業担当者の説明が不足し、何度もオンライン会議を重ねることになり、営業コストが逆に増加する傾向も見られます。
営業動画制作がオンライン営業を変える仕組み
営業動画制作により、これらの課題を一気に解決できます。
営業動画は、顧客データと組み合わせることで、個別対応感を演出しながら、同時に営業チーム全体で説明レベルを統一できます。顧客は自分のペースで営業動画を見直せるため、オンライン営業の課題である「限られた時間での説得」という制約から解放されます。
さらに、営業動画の視聴データから顧客の興味関心を把握でき、その後のオンライン営業アプローチが格段に効果的になるのです。
実例:明治安田生命のパーソナライズド動画事例
キヤノンマーケティングジャパンが提供する営業動画制作サービスでは、明治安田生命がパーソナライズド動画を導入しました。
この導入では、健康増進型保険の加入者に向けて、個人の健康データに基づいた「疾病リスク予測」と「健康アドバイス」を動画で配信する「あなたの健康解説動画」が提供されています。顧客は自分の健康状態に合わせた個別メッセージを受け取ることで、保険サービスへのエンゲージメントが向上するアプローチです。
このように、営業動画制作がパーソナライズされることで、一般向けのメール案内とは異なる顧客体験を実現できるのです。
営業動画制作の基本|押さえるべき3ステップ
オンライン営業で効果を出す営業動画制作には、3つの重要なステップがあります。
ステップ1:冒頭3秒で顧客の心をつかむ
営業動画の成否は、冒頭3秒で決まると言っても過言ではありません。
顧客は最初の数秒で「これは自分に関係のある内容か」を判断します。ここで顧客の名前を呼びかけることで、一般向けのメッセージではなく「自分のためだけの提案」という認識を生み出すのです。
冒頭3秒の営業動画設計例:
- 「〇〇さん、こんにちは」と名前で呼びかける
- 「今回は、あなたのビジネスに合わせた〇〇について、ご提案があります」と即座に価値を示唆
- これにより視聴完了率が大幅に上がる
この工夫だけで、営業動画の説得力は格段に高まります。
ステップ2:情報を「削ぎ落とす」戦略
営業動画制作で陥りやすい失敗が、情報の詰め込みすぎです。
商品のすべての機能を説明しようとすると、営業動画は長くなり、顧客は途中で見るのをやめてしまいます。重要なのは「何を説明するか」ではなく「何を説明しないか」という逆転の発想です。
オンライン営業では、顧客の注意力は対面よりも短いもの。営業動画は短く、明確に。顧客にとって今最も必要な情報だけに絞り込むことが、営業動画の訴求力を最大化する秘訣なのです。
情報削ぎ落としの具体例
- 提案するプランは1〜2個に限定(すべてを見せない)
- 機能説明は最小限に(ベネフィットに絞る)
- 数値や具体例は厳選して配置
一般的には、1分未満の動画は平均52%のエンゲージメント率を示すという調査データもあり、営業動画は可能な限りコンパクトに設計することが有効です。ただし、顧客の用途や配信チャネルによって最適な長さは異なるため、事前の戦略設計が重要です。
ステップ3:視聴後のアクションを明確に
営業動画を見た後、顧客は「次に何をしたらいいの?」という疑問を持ちます。この次のアクション設計が、オンライン営業の成約率を左右するのです。
営業動画の最後は、必ず具体的な行動を促してください。
アクション設計の例
- 「このリンクから日程を予約してください」
- 「ご質問や相談があれば、ここにメールしてください」
- 「ダウンロードボタンから資料をご確認ください」
営業動画は説明で終わるのではなく、それが顧客の行動につながって初めて意味があります。このアクション設計があれば、営業動画からオンライン営業への自然なパイプラインが完成するのです。
営業動画制作の実務ガイド
オンライン営業で営業動画制作を導入する際に、企業担当者が最も知りたい情報を解説します。
制作期間:標準的なスケジュール
営業動画制作の期間は、プロジェクトの規模により異なります。
簡単な営業動画(例:1分以下の商品説明動画)
- 企画・構成:3〜5日
- 撮影・編集:5〜7日
- 修正・調整:2〜3日
- 合計:10〜15日程度
本格的な営業動画制作(例:パーソナライズド営業動画)
- ヒアリング・企画:5〜7日
- 台本作成:3〜5日
- 撮影:3〜5日
- 編集・アニメーション:7〜10日
- データ構築(パーソナライズ設定):5〜7日
- 修正・調整:3〜5日
- 合計:1.5〜2ヶ月程度
事前に顧客データが整備されているか、既存の企業ブランドガイドラインが活用できるかで、制作期間は短縮される傾向にあります。
制作費用の相場と内訳
営業動画制作の費用は、動画の長さ、複雑さ、パーソナライズの有無によって大きく異なります。
営業動画制作の費用相場
| 営業動画のタイプ | 制作費用(相場) | 制作期間 |
|---|---|---|
| 簡易的な営業動画(30秒程度、テンプレート利用) | 5万〜15万円 | 1〜2週間 |
| 標準的な営業動画(1分、撮影編集含む) | 30万〜80万円 | 2〜4週間 |
| 本格的な営業動画制作(2分以上、複数パターン) | 80万〜200万円 | 1.5〜2ヶ月 |
| パーソナライズド営業動画(データベース連携) | 200万〜500万円+ | 2〜3ヶ月以上 |
費用内訳の例(標準的な営業動画制作の場合)
- 企画・構成料:5万〜10万円
- 台本・シナリオ作成:3万〜8万円
- 撮影(1日):10万〜20万円
- アニメーション・グラフィック:10万〜20万円
- 編集・カラーグレーディング:5万〜15万円
- 修正・調整:3万〜8万円
※費用相場は業界動向により変動します。パーソナライズド営業動画の場合は、顧客データベース構築費用やAPI連携費用が別途発生することが多いため、実際の費用はさらに高額になるケースがほとんどです。
自社制作 vs 外注:判断基準
営業動画制作を「自社で行うか」「外注するか」を判断する際の基準を示します。
自社制作を選ぶべき場合
- 営業動画の制作頻度が高い(月に複数本必要など)
- 既に撮影機器や編集ソフトが揃っている
- 営業動画の内容が頻繁に変わる
- 長期的には制作コストを削減したい
外注を選ぶべき場合
- 初めて営業動画制作に取り組む
- 高いクオリティが必要(大型商談向けなど)
- 制作期間が限られている
- 営業動画の本数が少ない(年数本程度)
多くの企業では、重要な営業動画は外注し、簡易的な更新動画は自社で対応するハイブリッド方式を採用しています。
配信設計と効果測定の重要性
営業動画制作が完了しても、配信設計がなければ効果は半減します。
配信チャネルの選択
- メール: 既存顧客への提案に最適。顧客リストに基づいた個別配信が可能
- SMS: 開封率が高く、緊急性のある営業に向いている
- CRM(顧客管理システム): 営業ステージに応じた自動配信が効果的
- HP・ランディングページ: 新規見込み客への24時間配信
- オンライン会議ツール(Zoom等): リアルタイムでの提示や事前送付
効果測定の指標
- 視聴完了率(どの割合の顧客が最後まで見たか)
- 視聴時間(どこで離脱したか)
- クリック率(視聴後のアクションに進んだか)
- 商談化率(営業動画視聴から実際の商談につながったか)
- 成約率(営業動画経由での受注数)
配信設計と効果測定がセットで初めて、営業動画制作の投資効果を最大化できるのです。
オンライン営業で営業動画制作する際の注意点
営業動画制作で失敗する企業に共通する3つのポイントを紹介します。
よくある失敗①:情報を詰め込みすぎる
営業動画の最大の落とし穴は「説明したいことを全部入れよう」という姿勢です。
機能説明、導入メリット、事例、料金、サポート内容まで詰め込むと、営業動画は3分を超えてしまいます。オンライン営業では、顧客の注意力は限定的。研究データでは、短い営業動画の方が完了率が高いという傾向が示されています。
特に営業動画の冒頭1分で情報を詰め込むと、顧客は途中で見るのをやめてしまいます。顧客にとって今必要な1つのメッセージに絞り込むことが、営業動画制作の鉄則です。
よくある失敗②:配信設計がない
営業動画制作に成功した企業でも、その後の配信設計が不十分なことがあります。
「営業動画を作ったから、営業チームが使うだろう」という楽観的な期待は禁物です。実際には:
- 営業担当者が営業動画の存在を知らない
- 顧客にどう提示したらいいか分からない
- 配信タイミングが明確でない
こうした課題が生じます。営業動画の配信設計では、営業担当者の教育、配信フローの自動化、効果測定の仕組みまで含める必要があります。
よくある失敗③:効果測定をしていない
営業動画制作の投資効果を把握していない企業は、改善の機会を失っています。
視聴完了率が50%なら、30秒付近で離脱する顧客が多いということ。その離脱ポイントを改善すれば、営業動画の効果は大幅に上がります。しかし、効果測定がなければ、こうした改善は永遠にできないのです。
営業動画制作では、制作直後から継続的に効果を測定し、改善していく体制が不可欠です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 営業動画制作にはどのくらい期間がかかりますか?
A. 営業動画の種類によって異なります。簡易的な営業動画なら1〜2週間、本格的な営業動画制作なら1.5〜2ヶ月が目安です。事前に顧客データが整備されているか、企業ブランドガイドラインが活用できるかで期間は短縮されます。詳細はお打ち合わせの際にお伝えします。
Q2. 制作費用はどのくらいですか?
A. 営業動画の複雑さにより大きく異なります。簡易的な営業動画なら5万〜15万円、標準的な営業動画制作なら30万〜80万円が相場です。パーソナライズド営業動画のように顧客データベースと連携する場合は、システム構築費用を含めて200万円以上になることもあります。お客さまのご予算と目的に応じた提案をいたします。
Q3. 本当にオンライン営業の成約率が上がりますか?
A. 営業動画の効果は、制作の質だけではなく、配信設計と効果測定にかかっています。適切に設計・配信された営業動画は、視聴完了率の向上、営業担当者の説明時間短縮、顧客の理解度向上など、複数の指標で成果が確認されています。ただし、すべてのケースで成約率が上がるわけではないため、事前にお客さまのビジネスモデルや営業プロセスを分析した上で、期待値を設定することが重要です。
Q4. 営業動画はどのチャネルで配信すべきですか?
A. 最適な配信チャネルは、お客さまの営業プロセスと顧客属性によります。既存顧客向けならメールやCRM、新規見込み客向けならHPやランディングページ、即座の対応が必要なら営業ビデオ通話での提示など、複数の組み合わせが効果的です。お打ち合わせで営業フローをお聞きした上で、最適な配信設計をご提案します。
Q5. 営業動画の効果をどう測定しますか?
A. 視聴完了率、視聴時間、ユーザーの行動データ(クリック、ダウンロードなど)を基本として測定します。さらに、営業動画視聴後の商談数や成約数まで追跡することで、実際のビジネス成果への貢献度を把握できます。効果測定の仕組みも、営業動画制作の一部として構築いたします。
次のステップ:営業動画制作を始めるために
オンライン営業で成約率を高めるには、営業動画制作は今や必須の施策です。冒頭3秒の設計、情報の削ぎ落とし、配信設計という3つのステップを押さえることで、効果的な営業動画を実現できます。
ただし、営業動画制作の成功は「作ること」ではなく「活用すること」にあります。適切な配信チャネルの選択、継続的な効果測定と改善、営業チーム全体の理解と協力が揃って初めて、オンライン営業の成約率向上につながるのです。
「営業動画制作をしたいけど、何から始めたらいいか分からない」という方は、まずは現状の営業プロセスをお聞かせください。お客さまのビジネスモデル、営業ステージ、顧客属性に合わせた営業動画制作のご提案をいたします。
過去のポートフォリオや事例も多数ありますので、参考までにご確認いただけます。
【営業動画制作について相談する】
営業動画制作の導入を検討している方、まずはお気軽にお問い合わせください。お客さまの課題と目的に合わせた、最適な営業動画制作のプランをご提案いたします。
記事の最後に
この記事が営業動画制作の理解に役立てば幸いです。オンライン営業の課題解決は、営業動画制作から始まります。ご不明な点やご相談がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。

Comments are closed