動画を作ったものの、思ったほど見てもらえない。そんな悩みを抱える企業担当者は少なくありません。その原因は、動画の内容そのものよりも、「お客さまが動画にたどり着く道筋(導線)」が設計されていないことにあることが多いのです。そこで本記事では、動画の導線をどこに置くかという視点から、今日から考えられる方法を整理します。動画への入り口を見直すだけで、限られた予算でも動画の役割はよりはっきりしてきます。
動画が見られない原因は、公開場所にあるのかもしれない
目次
動画の導線とは、お客さまが「動画を見よう」と思い、実際に再生するまでの道筋のことです。ホームページの片隅に置いただけでは、そもそも目に入らないこともあります。つまり、制作した動画を「どこで見せるか」が決まっていないと、どれだけ良い内容でも届きにくくなります。
ホームページだけに置いていないか確認する
まずは、動画がウェブサイトの一か所だけに掲載されていないか確認してください。たとえば、会社概要のページにだけ置いている場合、そのページを訪れる人は限られます。商品ページや問い合わせページ、資料請求のページなど、お客さまが次の行動を考えるタイミングに合わせて配置すると、動画は見られやすくなります。
既存の接点から見直すという考え方
新しく広告を出す前に、お客さまがすでに触れている接点を洗い出すことも大切です。すでに届いている紙の書類や、日々使っている資料などに、動画への入り口を加えられないか考えてみてください。
既存の接点に動画の入り口を置く具体例
紙媒体(注文書・請求書・パンフレット)の活用
お菓子メーカーのグリコは、紙のファックスの注文書に、商品を説明する動画へ遷移するQRコードを設置したと報告されています。その結果、初日売上が前年に比べて向上したとされていますが、具体的な数値は公表されていません。この事例は、動画制作ツールの販売元による紹介ページで確認した内容であり、ツール提供側の事例紹介である点に注意してください。ここから分かるのは、すでに使われている紙の媒体に導線を置くという発想が、業種を問わず応用できる可能性があるという点です。
たとえば、次のような接点が考えられます。
- 請求書や納品書の余白にQRコードを添える
- 製品パンフレットの裏面に、製品の使い方を紹介する動画への案内を入れる
- 注文書や申込書に、手順を説明する動画へのリンクを置く
営業・展示会・店頭などのリアルな接点
営業資料や展示会の配布物、店頭のポップなども、動画への入り口になり得ます。ただし、QRコードを読み取る手間が大きいと、結局は見てもらえません。その場で読み取れる分かりやすさと、動画の長さを短く保つことを意識してください。
導線を置くときに気をつけたいこと
遷移先は迷わず見られる場所にする
QRコードを読み取った先が、動画を探しにくいページだったり、読み込みに時間がかかったりすると、離脱されてしまうことがあります。読み取ったらすぐ動画が見られる状態にしておくことが基本です。一般的な解説では、モバイルページの表示に3秒以上かかると離脱が増えるという調査結果が紹介されることがありますが、これは二次情報であり、調査の条件などは確認できていません。
動画の長さと、次に取る行動を用意する
動画を見終わった後に「次に何をしてほしいのか」が分からないと、行動にはつながりにくくなります。たとえば、資料請求や問い合わせなど、次の一歩を明確に用意しておくと、導線として機能しやすくなります。
効果は測れる形で設計する
導線を置いたら、どの場所から見られたのかを比較できるようにしておくと、改善の判断がしやすくなります。たとえば、紙媒体ごとに計測用のURLを分けておけば、どちらからアクセスがあったかを比べられます。計測の方法には、計測機能のあるQRコード管理ツールを使う方法や、URLに計測用のパラメータを付けてアクセス解析で確認する方法があります。
動画の導線を設計するメリットとデメリット
メリット
既存の接点に導線を置くと、新たな集客にかける手間やコストを抑えながら、動画を見てもらう機会を増やせます。すでに触れてもらっている場所で動画を紹介するため、お客さまにとって自然な流れになりやすい点も利点です。
デメリット
導線の数が増えると、どこから見られたのかを把握しにくくなります。また、QRコードのように読み取りが必要な導線は、読み取る手間があるため、思ったほど利用されないこともあります。さらに、紙媒体に導線を置いた場合は、動画の内容を更新するときに印刷物の差し替えが必要になることもあります。
メリットとデメリットを踏まえると、導線は「増やせば良い」のではなく、目的とお客さまの行動に合わせて絞り込むことが大切だと分かります。
よくある質問
Q1. 動画の導線はどこに置くのが効果的ですか?
一概に決まった場所はありませんが、お客さまが次の行動を考えるタイミングに近い場所が有効とされています。商品ページや問い合わせページ、既存の資料などを起点に考えると、設計しやすくなります。
Q2. QRコードを置くだけで効果は出ますか?
QRコードを置くこと自体が目的になると、成果にはつながりにくくなります。動画の内容、遷移先、動画の後に取ってほしい行動を合わせて設計することが大切です。
Q3. 導線を置いた効果はどう確認すればいいですか?
ページへのアクセス状況は、アクセス解析で確認できます。紙媒体ごとに計測用のURLを分けておくと、どの導線から訪れたのかを比較しやすくなります。なお、動画そのものの再生数を確認するには、動画を配信しているプラットフォームの機能などを別途確認する必要があります。
最後に
動画の導線は、特別な予算がなくても、今ある接点から見直すことができます。まずは、お客さまがすでに触れている紙の資料やウェブページを一つ選び、そこに動画への入り口を置けないか考えてみてください。
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