採用動画で内定承諾率が上がると聞くけど、本当に効果があるのだろうか。そう疑問に感じている採用担当者は少なくありません。実は、採用動画の効果は「作り方」と「使い方」で大きく変わります。同じ企業規模でも、動画の成功と失敗を分ける要因は、制作前の準備にあるのです。
本記事では、採用動画で内定承諾率を実際に上げた企業事例から学べる5つのポイント、制作費用の相場、よくある失敗パターンまで、採用担当者が制作前に知っておくべき実践的な知見をまとめました。これから採用動画の制作を検討している企業担当者の判断軸となれば幸いです。
採用動画の効果は本当か|データが示す現実
目次
内定承諾率が上がる、その根拠
「採用動画で本当に内定承諾率が上がるのか」——この問いに対する答えは、複数の調査データで実証されています。
レバレジーズとプルークスが2021年6月に実施した調査では、採用動画を視聴した学生のうち約4割が「採用動画が選考参加や内定承諾の決め手になった」と回答しています。また同調査では、約7割の学生が採用動画視聴後に「志望度が上がった」と述べており、動画がどの選考段階にも影響を与えていることが分かります。
さらに注目すべきは、9割以上の学生が「採用動画があったほうが良い」と答えていることです。つまり、採用動画の有無そのものが、企業選択の判断軸になっているという現実です。
しかし、ここで重要な警告があります。「採用動画があれば内定承諾率が上がる」のではなく、「適切に設計された採用動画が、初めて内定承諾率を上げる」のです。この違いを理解できるかどうかが、制作成功の分岐点になります。
YouTube視聴が6割を占める時代背景
採用動画はどこで見られているのか。調査データから見えるのは、約56%(6割)の学生が「YouTube」で採用動画を視聴しているということです。かつては採用説明会や企業ホームページでの視聴がメインでしたが、現在はYouTubeが主流になっています。
この背景には、学生がスマートフォンで能動的に企業情報を検索する習慣が定着したことがあります。採用ナビサイトよりも、YouTubeで「企業 採用」と検索する学生が増えているのです。つまり、採用動画を制作する際は、単に「作る」のではなく、「YouTube上で学生に発見される」ための戦略が必要になるのです。
採用動画制作の相場と期間|現実的な予算計画
制作費用の相場とは
採用動画の制作費用は、動画の種類、長さ、クオリティ、制作会社によって大きく異なります。一般的な相場は以下の通りです。
短尺動画(15秒~30秒): 30万~80万円
中尺動画(1分~3分): 80万~200万円
長編動画(5分以上): 200万~500万円以上
YouTube企画もの(シリーズ化): 100万~300万円(複数本セット)
ただし、これらの相場はあくまで目安です。実際の費用は「何を作るか」によって変動します。例えば、社員インタビューをメインにした企画であれば比較的低予算で制作可能ですが、アニメーション、特殊な映像表現、海外ロケーション、著名人出演などが入ると費用は跳ね上がります。
重要なのは、「予算の大きさ=効果の大きさ」ではないということです。500万円の華麗な企業紹介動画よりも、50万円の「社員の等身大の姿を映した動画」の方が、内定承諾率を上げることもあります。
制作期間の現実
採用動画の制作期間は、通常2ヶ月~4ヶ月が目安です。
打ち合わせ・企画構成: 2週間~3週間
台本作成・承認: 1週間~2週間
撮影準備・キャスティング: 2週間~3週間
撮影本番: 1日~3日(内容による)
編集・字幕制作: 3週間~4週間
修正・最終納品: 1週間~2週間
「急いで1ヶ月で作りたい」という要望も聞きますが、この場合、クオリティが落ちるか、企画の自由度が制限されるかのいずれかになります。特に「企業の本質を映す動画」を作ろうとすれば、社内の意思統一、社員へのインタビュー調整、ロケーションの確保など、予想以上に時間がかかるものです。
採用シーズン(新卒採用なら秋冬、中途採用なら通年)を逆算して、最低でも3ヶ月前からの企画開始をお勧めします。
採用動画制作で失敗する5つのパターン
ポイント1:測定設計をしないまま制作に進む
最も多い失敗パターンは「視聴数だけ増えて、応募に繋がらない」というものです。
採用動画を制作した企業の多くが「YouTube再生数が5000回を超えた」という報告で満足しています。しかし、本当に測るべき指標は、「動画を見た学生のうち、何%が採用選考に進んだのか」「何%が内定を承諾したのか」という実績値です。
制作前に「この動画で何を改善したいのか」を明確に定義する必要があります。以下のいずれに課題があるかで、制作すべき動画が完全に変わります。
- 志望度が低い企業 → 社員のリアルな姿を映す動画
- 応募数が少ない企業 → 職種紹介や仕事内容を詳しく説明する動画
- 応募者の質が低い企業 → 企業文化や入社後のギャップを見せる動画
- 内定承諾率が低い企業 → 「この企業で働く価値」を示す動画
多くの企業は「企業紹介動画を作れば、すべてが解決する」と思い込んでいます。これが大きな誤りです。
ポイント2:プラットフォーム別の戦略がない
採用動画を「YouTubeに上げればいい」と考えるのは、すでに時代遅れです。学生が採用動画を見るプラットフォームは複数です。
YouTube ——能動的に企業情報を検索している意欲度が高い学生
採用サイト・ホームページ ——選考に進み、入社後をイメージしている学生
採用説明会 ——リアルタイムに企業の説明を聞きながら補完情報を求めている学生
SNS(Instagram、TikTok) ——気軽に企業情報を流し見する学生
各プラットフォームの学生は、異なる心理状態にあります。YouTubeで見つけた学生は「この企業について詳しく知りたい」という関心が高く、採用説明会で見た学生は「この説明の補完情報が欲しい」という実務的なニーズを持っています。
同じ動画をすべてのプラットフォームに配置するのではなく、各プラットフォームの特性に応じて、動画の長さ、内容、メッセージを変える戦略が必要です。
ポイント3:企業の勝ちが1つに絞られていない
採用動画で最も陥りやすい失敗が「情報を詰め込みすぎる」ことです。
企業紹介、事業内容、職種説明、社員インタビュー、オフィス紹介、福利厚生——これらを全部1本の動画に入れようとすると、メッセージが散漫になり、学生の心に何も残りません。
効果的な採用動画は、「結局、この企業の何が勝ちなのか」を一点に絞っています。例えば、「若手が活躍できる企業」であれば、3年目で事業責任者になった社員事例に絞る。「社員の成長を大切にする企業」であれば、入社1年目の働き方に絞る。このように、企業の本質を1つのテーマに集約させることで、初めて学生の心に響く動画になるのです。
ポイント4:社員のリアルが映っていない
「企業の理想像」を映した動画では、内定承諾率は上がりません。学生が見たいのは、「実際にこの企業で働く人たちは、どんな表情で、どんな気持ちで、何を考えているのか」という現実です。
社員インタビューなら「事前に用意した回答」ではなく「素の言葉」を映す。オフィス紹介なら「キレイに片付けたオフィス」ではなく「実際に使われているオフィスの日常」を映す。このリアルさの有無が、学生の「この企業で働きたい」という感情を大きく左右します。
実は、クオリティの低い動画ほど「リアルだ」と学生に評価されることもあります。完璧に作られた映像よりも、手作り感のある、人間らしさが伝わる動画の方が、内定承諾率につながる傾向が見られます。
ポイント5:配置戦略と改善サイクルがない
動画を作ったら終わり、ではありません。採用動画の効果を最大化するには、「どのタイミングで、どのプラットフォームで、誰に見せるか」という配置戦略が必須です。
また、一度作った動画に満足するのではなく、「視聴数」「視聴維持率」「その後の選考進行率」を定期的に測定し、改善することが重要です。例えば、「冒頭15秒で離脱が多い」なら、最初のカットを変える。「再生数は多いが応募に繋がらない」なら、メッセージを変更する。このような小さな改善の積み重ねが、採用動画の効果を実際に高めるのです。
採用動画で内定承諾率を上げるための5つのポイント
ポイント1:制作前に測定KPIを決める
採用動画の制作に入る前に、必ず以下を社内で言語化してください。
「この採用動画で、何の数字を改善したいのか」
それが、志望度か、応募数か、応募者の質か、内定承諾率か、定着率か。企業によって課題は異なります。その課題によって、動画の内容、長さ、出演者、メッセージが全て決まるのです。
課題が決まらないまま制作会社に「採用動画を作ってください」と依頼すれば、結果は大体同じです。「きれいな企業紹介動画」が出来上がり、再生数は増えても応募には繋がらない、という事態になります。
ポイント2:企業の「勝ち」を営業視点で一点に絞る
社内で「結局、ウチの何が勝ちなのか」を営業が一言で言えますか。
多くの企業は、この答えが曖昧です。「総合力です」「バランスです」「人材です」——こうした答えでは、動画の企画は立ちません。採用動画は、企業の勝ちを一点に絞った時に初めて機能するのです。
例えば「若手が早期に大きな事業を任される」なら、その事例を映す。「社内の風通しが良く、提案が通りやすい」なら、その現場を映す。このように具体的に、営業が実際に顧客に説明する時の「勝ちメッセージ」を動画にすることで、学生にも響く採用動画になります。
ポイント3:選考段階に応じた複数の動画を制作する
採用動画は1本ではなく、複数本を戦略的に制作することをお勧めします。
例えば、レバレジーズの場合、新卒1年目の働き方、入社3年目の事業責任者事例、社内公募制度、面接対策、創業20周年企画など、複数のテーマで動画を制作しています。
各動画は、学生の「知りたいタイミング」と「知りたい内容」に応じて、異なるプラットフォームに配置されます。能動的に企業情報を検索している学生にはYouTubeで長編を、選考を控えた学生には採用サイトで短編を、説明会に参加した学生には会場で新しい情報を——このように複数の動画を戦略的に使い分けることで、学生の納得度が高まり、内定承諾率につながります。
ただし、複数本の制作は予算の問題も出てきます。その場合は、1本の動画から複数のバージョンを派生させる手法もあります。5分の長編から、1分版、30秒版を作る。あるいは、同じ撮影から複数のテーマで異なる編集版を作る。このようなモジュール化により、効率的に複数の動画を用意することができます。
ポイント4:プラットフォーム別に配置戦略を立てる
採用動画を制作したら、次は「どこに、どのタイミングで、どの順番で見せるか」という配置戦略です。
YouTube: 新規認知層向け。企業の事業内容、社員の成長事例など、時間をかけて見られる長編を配置。毎週火曜日・金曜日など、定期配信で学生の継続的な関心を引き出す。
採用サイト: 選考進行中の学生向け。入社後のギャップを減らすため、新卒1年目の働き方、社内制度、福利厚生など、具体的で実用的な短編を配置。
採用説明会: 説明会の補完情報。説明では伝わりきらない職場の雰囲気、社員の表情、実際の業務風景を映した動画を活用。
SNS(Instagram、LinkedIn): 気軽に企業情報を流し見する層向け。15秒~30秒の短尺で、企業のブランドイメージを伝える動画を継続配信。
このように、プラットフォームごとに異なる学生層が異なるニーズを持っていることを理解し、最適な動画を配置することが重要です。
ポイント5:測定と改善を定期的に実施する
採用動画の効果を最大化するには、制作後の「測定と改善」が欠かせません。
以下の指標を、最低でも月1回はチェックしてください。
YouTube側の指標: 再生数、視聴時間、視聴完了率、クリック数(説明欄のリンククリック)
採用サイト側の指標: 動画視聴後の採用ページ遷移率、応募ボタンクリック数
採用選考側の指標: 動画視聴者の選考進行率、内定承諾率、入社後の定着率
例えば、「再生数は1000回を超えているが、選考に進んだのは5人だけ」という場合、動画のメッセージを見直す必要があります。視聴者は企業に関心を持ったが、「応募したい」という感情まで至らなかったということです。この場合、「この企業で働く価値」をより明確に伝える編集への修正、あるいは全く別の角度の動画制作を検討する必要があります。
測定なき動画制作は、ただの費用です。必ず「何を測り、どう改善するか」をあらかじめ決めておいてください。
よくある質問
Q1:採用動画は絶対に必要ですか。小規模企業でも効果ありますか。
A: 採用動画の効果は企業規模に関係ありません。むしろ、中小企業や小規模企業こそ、採用動画の活用で大企業と差別化できます。大企業は資金をかけた華麗な動画を作りますが、学生が本当に知りたいのは「実際に働く人の顔や声」です。社員が少ない小規模企業だからこそ、社員のリアルな姿が映りやすく、学生から「この企業なら働ける」という確信につながることもあります。予算が限られている場合は、社員インタビューを中心にした短尺動画から始めることをお勧めします。
Q2:採用動画の制作期間を短縮することはできますか。
A: 通常は2~4ヶ月が目安ですが、1ヶ月での制作も不可能ではありません。ただし、その場合は企画の自由度が制限されます。例えば「社員インタビューのみ」など、スコープを限定することで、制作期間を短縮することは可能です。ただし、「企業の本質を映す動画」を作ろうとすれば、社内の意思統一や社員調整に時間がかかるため、やはり3ヶ月程度は見ておくことをお勧めします。急ぐのであれば、制作会社に相談し、何にフォーカスするかを絞ることが重要です。
Q3:採用動画を制作会社に依頼する際の注意点は何ですか。
A: 最大の注意点は「制作会社に丸投げしないこと」です。多くの企業が「採用動画を作ってください」と漠然とした依頼をして、後から「イメージと違う」という事態になります。重要なのは、制作前に社内で「何を課題とし、何の数字を改善したいのか」を言語化し、その情報を制作会社に正確に伝えることです。制作会社は「どのような企業であるか」を理解できれば、それに応じた企画を提案できます。逆に、社内の課題が曖昧なまま制作を進めると、出来上がった動画は「万人向けの企業紹介動画」になり、効果が期待できません。
Q4:採用動画の効果がなかった場合、どうしたらいいですか。
A: まず確認すべきは「何を測定していたか」です。再生数だけを見ていた場合、その動画が応募に繋がっているか、内定承諾に繋がっているかは不明です。採用選考の入口(応募)と出口(内定承諾)の両方で、データを確認してください。その上で「視聴数は増えたが応募に繋がらない」なら、メッセージを変更する。「応募は増えたが内定承諾率は変わらない」なら、入社後の情報を追加するなど、課題に応じた改善が必要です。1本の動画で全ての採用課題を解決することはできません。複数の視点から原因を分析し、段階的に改善することが重要です。
Q5:採用動画とYouTubeチャンネル運用は何が違いますか。
A: 採用動画は「採用課題を解決するための1本(または複数本)の動画」であり、YouTubeチャンネル運用は「継続的に企業情報を発信するメディア戦略」です。採用動画は、内定承諾率アップという明確なゴールを持ち、期間を決めて制作します。一方、YouTubeチャンネルは長期的に学生とのエンゲージメントを構築するための施策です。どちらが必要かは、企業の採用課題によって変わります。応募者の質を上げることが急務なら採用動画。継続的に企業のファンを作ることが目的なら、YouTubeチャンネル運用という選択肢もあります。理想的には、採用動画で短期的な効果を期待しながら、並行してYouTubeチャンネルで長期的なブランド構築を進めるアプローチです。
採用動画の制作を検討する際の相談のポイント
採用動画の制作を検討しているけれど、「本当に効果があるのか」「うちの企業でも実装できるのか」と不安な場合は、まずは制作会社に相談することをお勧めします。
その際の相談のポイントは以下の通りです。
①採用の課題を明確に伝える ——志望度か、応募数か、応募者の質か、内定承諾率か。社内で議論した上で、最も改善したい課題を1つに絞る。
②予算と期間の見通しを持つ ——大体の予算(〇〇万円程度)と制作期間(〇ヶ月以内)を伝えることで、制作会社も現実的な提案ができます。
③社内の体制を整える ——社員インタビューの協力体制、撮影日程の調整など、社内で準備できることを事前に確認しておく。
④過去の制作実績を確認する** ——制作会社が自社と同じ業界、同じ規模の企業の動画を制作していれば、より現実的なアドバイスが期待できます。
⑤測定設計について相談する** ——「制作後、どのような指標を追跡するのか」を制作会社と事前に決めておくことで、制作後の改善がスムーズになります。
私たちは、採用課題を持つ中小企業の皆様のために、ビジネス動画の制作とその運用支援を行っています。ただ「きれいな動画を作る」のではなく、「採用課題を実際に解決する動画」を目指しています。
採用動画の制作を検討されている場合は、まずは無料相談で現状をお聞きし、どのような動画が貴社に最適なのかをご提案させていただきたいと考えています。
まとめ
採用動画で内定承諾率を上げるには、「作る前の準備」が全てです。
採用の課題を明確にし、企業の勝ちを一点に絞り、複数の動画を戦略的に制作し、各プラットフォームに配置し、継続的に測定と改善を実施する。これらのプロセスを踏むことで、採用動画は単なる企業紹介ツールから、実際の採用成果を生む戦略的な資産へと変わります。
採用動画の制作を検討されている場合は、ぜひ一度、以下の無料相談でお聞きしてみてください。貴社の採用課題に対して、どのような動画戦略が最適なのかをご提案させていただきます。
採用課題の解決に向けた動画戦略について、お気軽にご相談ください。

Comments are closed