「営業資料をそのまま動画にすれば、営業の説明が楽になるはず」——そう考えて動画制作を検討したものの、見積もりの金額や納期の見通しが立たず、手が止まってしまう企業担当者は少なくありません。
営業動画は、商談の前後で製品やサービスの内容を伝えるために使う動画です。一度依頼すると費用も時間もそれなりにかかるため、依頼前に「何のための動画か」「どの段階で何を決めるべきか」を整理しておくことが、失敗を防ぐ近道になります。
この記事では、営業動画の作り方の基本から、費用と制作期間の目安、依頼時の注意点までを順番に解説します。読み終えたときに、社内で何を話し合えばよいかが整理できる内容を目指しました。
営業動画とは?まず押さえたい基本
目次
営業動画とは、顧客に対して製品やサービスの内容を分かりやすく伝えるための動画です。商談の冒頭で全体像を共有したり、資料を送る代わりに見てもらったりと、使い方はさまざまです。
会社の理念や雰囲気を伝えるブランディング動画と比べると、営業動画は「相手の課題に対して、どう役立つのか」を短い時間で伝えることに重点を置きます。目的が違うため、構成や情報量の考え方も変わります。
営業動画の作り方の基本は「削ぎ落とし」から
営業動画を作るとき、多くの担当者がつまずくのは「何を入れるか」より「何を入れないか」の判断です。営業資料には、スペック、導入実績、Q&A、契約条件など、説得に必要と思われる情報が詰め込まれています。それをそのまま動画にすると、尺が伸び、見る側の理解が追いつかなくなります。
そこで有効なのが「削ぎ落とし」の考え方です。動画では、資料の情報をすべて載せるのではなく、視聴者が一つだけでも持ち帰れる結論を決め、それに必要な情報だけを残します。
「削ぎ落とし」型の営業動画を作る5つのステップ
ステップ1:営業資料から「動画に入れる情報」と「入れない情報」を仕分ける
資料の各ページに「この情報は、動画を見ただけで相手が判断できるか」を問いかけてみてください。詳細な数値や契約条件は、動画ではなく資料や商談で補う方が適している場合が多くあります。
ステップ2:視聴者が一つだけ持ち帰れる結論を決める
動画の中で伝えたいことが三つも四つもあると、結局どれも残りません。「この課題を、こういう形で解決できる」という一文に絞り込むことで、構成がぶれにくくなります。
ステップ3:課題→解決→次の行動、の3段構成に落とし込む
最初に相手の課題を示し、次に自社の取り組みや仕組みを見せ、最後に「次に何をすればよいか」を伝えます。この流れにすると、動画を見た後の商談がスムーズに進みやすくなります。
ステップ4:社内の専門家に確認する箇所を事前に絞る
技術的な内容は、社内の専門家の確認が必要になることが多いため、確認してほしい箇所をあらかじめ絞っておきます。全体を何度も見てもらうより、確認箇所を限定した方が確認が早く終わります。
ステップ5:尺の目安を決めて、削る順番をあらかじめ決めておく
「1分程度」など尺の目安を決め、超過したときに削る優先順位を先に決めておきます。例えば「技術の詳細説明」より「導入後のイメージ」を優先して残す、といった判断基準を持っておくと、修正の往復が減ります。
営業動画の制作費用の目安
費用は、動画の尺、アニメーションか実写か、構成の複雑さ、修正回数などによって大きく変わります。そのため、単純な金額比較はできません。見積もりを取る際は、次の項目が含まれているかを必ず確認してください。
- 企画・構成(シナリオ、絵コンテ)
- 制作(撮影・アニメーション・ナレーション・BGM)
- 修正回数と範囲
- 納品形式(尺違い、縦横比違い、データ形式)
- 社内での配信・活用サポートの有無
見積もり金額だけで判断すると、後から追加費用が発生することがあります。特に「修正回数の上限」と「追加修正の単価」は、依頼前に書面で確認しておくと安心です。
営業動画の制作期間の目安と、延びやすい理由
営業動画の制作期間は、一般的に企画から納品まで数週間から数か月程度と言われています。ただし、社内での確認に時間がかかると、制作そのものより期間が延びることがあります。
期間が延びやすい主なパターンは次のとおりです。
- 「誰に・何を伝えるか」が決まっておらず、構成の段階で差し戻しが発生する
- 技術的な内容について、社内の専門家の確認が遅れる
- 関係者が多く、確認の窓口が一本化されていない
スケジュールを守るには、社内の確認担当者を一人決め、確認の期限を最初に決めておくことが効果的です。
営業動画の依頼時に確認したい5つの注意点
1. 動画の目的を一つに絞る 「営業説明の効率化」「問い合わせ前の理解促進」など、目的を一つに絞ると構成がぶれにくくなります。
2. 視聴する相手を具体的に決める 「取引先の担当者」「社内の新人営業」など、誰が見るのかを決めることで、言葉の選び方や情報量が変わります。
3. 社内の確認フローを先に決める 誰が最終確認をするのか、いつまでに戻すのかを先に決めておくと、修正の往復が減ります。
4. 納品後の活用場所を考えておく 営業資料への差し替え、ホームページへの掲載など、使う場所をあらかじめ決めておくことが大切です。
5. 効果の測り方を決めておく 再生回数だけでなく、商談化や次の打ち合わせにつながった割合など、ビジネスの成果で見る指標を決めておくと改善点が見えやすくなります。
営業動画の効果を考えるときの視点
営業動画は、導入すれば必ず成果が出るものではありません。どのような場面で、どのような相手に、どのくらいの時間で伝わるのかを設計して初めて、効果が見えてきます。
例えば、複雑な技術やサービスを扱う企業では、営業担当者が毎回同じ説明を繰り返すことに負担を感じているケースがあります。そうした場合、動画で基本的な内容を共有しておくと、商談では「より深い話」に時間を使えるようになります。ただし、これは一般的な考え方であり、すべての企業で同じ効果が出るとは限りません。
営業動画のメリットとデメリット
メリット
- 同じ内容を、担当者による差なく伝えられる
- 複雑な仕組みや動きを、視覚的に理解してもらいやすい
- 商談の冒頭で共通理解をつくれるため、説明の時間を組み立てやすい
デメリット
- 制作費用と時間がかかり、内容が変わるたびに修正が必要になる
- 作るだけでは活用されず、社内での運用ルールが欠かせない
- 見る人の立場によっては、情報量が足りない・多すぎると感じられることがある
営業動画に関するよくある質問
Q. 営業動画はどのくらいの長さが適していますか?
A. 一般的には1分〜3分程度が見られやすいと言われています。内容や見る場面によって適切な長さは変わるため、目的に合わせて決めることをおすすめします。
Q. 社内に動画の知識がなくても依頼できますか?
A. 依頼はできますが、「何を伝えたいか」は社内で整理しておく必要があります。制作会社に任せきりにすると、方向性がずれやすくなります。
Q. 生成AIの素材を使った営業動画でも問題ありませんか?
A. 利用する素材の権利や利用規約を確認することが前提になります。依頼前に、制作会社に素材の出典や利用条件を確認しておくと安心です。
Q. 見積もりを比較するときのポイントは?
A. 金額だけでなく、修正回数、納品形式、配信時のサポートの範囲を並べて比較するのがおすすめです。
まとめ
営業動画は、目的と伝える相手を明確にすれば、営業の説明を支える強い味方になります。作り方のポイントは「何を削ぎ落とすか」を先に決めることです。費用や期間、社内の確認体制も含めて整理しておくと、制作会社とのやり取りもスムーズになります。
まずは社内で「何を伝えたいか」を一文にすることから始めてみてください。
営業動画の相談を検討している方へ
「自社の場合、営業動画にどの程度の費用や期間を見ておけばよいか知りたい」「目的の整理から手伝ってほしい」という段階でも、お気軽にご相談いただけます。時間の制限は設けず、ご状況に合わせて一緒に整理させていただきます。
ご相談はこちらから受け付けております。

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