取引先や取扱店への情報共有を、FAXや郵送に頼っていませんか。お知らせを送るたびに印刷し、発送し、電話で確認が来る。そんな手間に心当たりがあるなら、動画を使った情報共有の仕組みが役立つかもしれません。本記事では、情報共有をデジタル化する考え方と進め方を、実際の企業の例を交えて解説します。
取扱店への情報共有で、いま多くの企業が抱える課題
目次
販売店や代理店と呼ばれる取引先に対して、新商品の案内、販売時の注意点、キャンペーンの内容などを届けるのは、多くの企業にとって欠かせない業務です。ところが、この情報共有がうまく機能していないケースは少なくありません。
FAXや郵送が中心だと何が起きるか
紙の資料をFAXや郵送で送る方法は、相手の環境を選ばないという安心感があります。一方で、印刷費や発送の手間がかかり、届いた資料が見られないまま埋もれることもあります。内容が変わったときには、その都度すべての取扱店へ送り直す必要が生じます。
たとえば、販売時の注意点が一部変わったとします。紙で配った場合、古い資料がそのまま手元に残り、誤った案内が続いてしまうことがあります。情報を「配る」仕組みでは、更新と回収の管理が難しくなりがちです。
DVDや一斉メールでは届きにくい理由
動画の情報を伝えたいとき、DVDを配布する方法もあります。ただ、DVDは再生機器が必要で、受け取った側がすぐに見られないことがあります。一斉メールも、添付容量の制限や、開封されるかどうかの見えにくさといった課題があります。
「送った」ことと「届いた」ことは、必ずしも同じではありません。情報共有を見直すときは、相手が確実に見られる形になっているかを基準に考えると整理しやすくなります。
動画で情報共有をデジタル化するメリットとデメリット
動画を使った情報共有には、良い面と気をつけたい面の両方があります。導入を検討する前に、双方を把握しておきましょう。
メリット:伝わりやすさ・配布コスト・問い合わせの減少
動画は、手順や操作の流れを文字より直感的に伝えられます。たとえば、販売時の手順を文章で読むよりも、画面操作を動画で見るほうが迷いにくいことは想像しやすいでしょう。
また、印刷と発送の手間が減るため、配布にかかるコストを抑えられる可能性があります。オンラインで最新版を差し替えられるため、古い情報が残りにくいという利点もあります。
さらに、説明が分かりやすくなることで、問い合わせが減るケースもあります。後述するオリックス自動車の事例では、電話での問い合わせが減ったと報告されています。
デメリット:制作と更新の手間・ツールの導入費用・見る側の環境差
一方で、動画は作って終わりではありません。内容が古くなれば作り直しが必要ですし、更新を続ける体制が求められます。誰が更新するのか、事前に決めておくことが大切です。
動画を共有する仕組みを導入する場合、ツールの費用もかかります。また、取扱店によってはネット環境や端末の条件が異なるため、事前に見られる環境かを確認する必要があります。
情報共有をデジタル化する3つのステップ
いきなり全部を動画にする必要はありません。次の3つのステップで、少しずつ進めるのが現実的です。
ステップ1:誰に何を届けるかを整理する
最初に行うのは、情報の届け先と目的を整理することです。たとえば「販売店の新人スタッフに手順を覚えてもらいたい」「全取扱店に最新のキャンペーンを知らせたい」など、目的によって必要な内容は変わります。
ここが曖昧なまま動画を作ると、何を伝えたいのか分からない動画になりがちです。最初の整理に時間をかけるほど、後の作業はスムーズになります。
ステップ2:内容を「マニュアル」「お知らせ」「説明動画」に分ける
届ける情報は、性質によって分けると扱いやすくなります。見積作成の手順のような繰り返し見る内容はマニュアルとして、キャンペーンや注意喚起は短いお知らせとして、操作の流れを示す内容は説明動画として整理します。
すべてを動画にするのではなく、文書で足りるものは文書のまま残し、動画が効果を発揮する場面に絞るのがポイントです。
ステップ3:グループごとに出し分けて、利用状況を見る
取扱店ごとに必要な情報は異なります。そのため、グループや地域ごとに見せる内容を出し分けられる仕組みが役立ちます。見てほしい人に、見てほしい内容だけを届けるイメージです。
さらに、誰がどの動画を見たかを確認できると、次に何を作るべきかの判断材料になります。配って終わりではなく、届いたかどうかを振り返ることが、情報共有の質を上げる近道です。
事例:オリックス自動車の取り組み
ここでは、取扱店への情報共有をデジタル化した一つの例として、オリックス自動車の取り組みを紹介します。同社はカーリース事業を展開しており、事例掲載時点で約1,100社の取扱店を有していました。
課題:FAXと郵送、DVD配布に頼っていた運用
これまで同社は、FAXや書類の送付を中心に取扱店と情報を共有し、動画を共有する際にはDVDを配布していました。こうした運用の中で、情報共有の質向上と業務効率化を目指す取り組みが進められました。
工夫:動画共有・配信プラットフォームのポータル機能を採用
同社は、Jストリームの動画共有・配信プラットフォーム「J-Stream Equipmedia(EQ)」のポータル機能である「EQポータル」を採用し、取扱店との情報共有のデジタル化に取り組みました。見積作成の手順や販売時の注意点などのマニュアル系のドキュメントが中心で、アンケートやキャンペーンの案内も掲載しています。分かりやすい説明動画も合わせて掲載し、ユーザーのグループごとにコンテンツを出し分けられる点も特徴です。
報告された変化:郵送の廃止、FAXの減少、電話問い合わせの減少
導入後は、従来の運用と比べて印刷・発送のコストが削減され、電話での問い合わせも減ったと報告されています。担当者は「EQポータル導入後は利用の普及に合わせて郵送を廃止、FAXも大幅に減りました。動画活用の効果を実感しています。」と振り返っています。
ただし、削減額や減少率といった具体的な数値は、この事例ページには記載がありません。また、この事例は、ツール提供元であるJストリームが紹介する導入事例である点も、あわせて押さえておくと安心です。
動画で情報共有を始める前に確認したいこと
ここでは、情報共有の動画化を検討する際に、あわせて確認しておきたい制作面のポイントを整理します。
制作の大まかな流れ
一般的に、動画制作は「目的と視聴者の整理」「構成・台本の作成」「制作と確認」「納品と公開」という流れで進みます。情報共有の動画では、マニュアル的な内容が多いため、台本段階で手順の正確さを確認する工程を重視すると安心です。
費用を左右する要素
動画の費用は、尺の長さ、撮影の有無、アニメーションか実写か、修正の回数などによって変わるのが一般的です。見積もりを比較するときは、金額だけでなく、どこまでが含まれているかを確認することが大切です。
依頼時に決めておきたいこと
依頼前には、修正回数、納期、使用する素材やロゴの権利の扱いを明確にしておくと、後のトラブルを防げます。また、制作会社が情報共有の用途に対応できるか、過去の実績で確認しておくのもよい方法です。
よくある質問
Q:社内に動画の担当者がいなくても進められますか
A:進めることは可能ですが、内容の確認や更新を担う人を一人決めておくと、運用が続きやすくなります。
Q:取扱店が多い場合、どのくらいの規模から効果が出ますか
A:取扱店の数だけで効果が決まるわけではありません。配布にかかっているコストや手間が大きいほど、見直しの効果を感じやすい傾向があります。
Q:既存のマニュアルを動画にするのは難しいですか
A:文書をそのまま読み上げる動画は分かりにくくなりがちです。手順ごとに画面や動きを見せる形に組み直すと、伝わりやすくなります。
Q:動画ポータルの導入には、どのくらいの準備が必要ですか
A:必要な準備は、届け先の整理、コンテンツの用意、利用する人の範囲の決定などです。一度に全部を整えるより、小さく始めて広げる方法がおすすめです。
まとめ
取扱店への情報共有は、FAXや郵送からデジタルへ移すことで、届け方も確認の仕方も変えられます。大切なのは、誰に何を届けるかを整理し、内容に合った形で届け、届いたかどうかを振り返ることです。
まずは、今の情報共有で何に時間とコストがかかっているかを書き出してみてください。そこから、動画で置き換えられる部分が見えてくるはずです。
情報共有の進め方や、動画化の範囲について迷っている場合は、お問い合わせフォームから気軽にご相談ください。まだ検討段階でも大丈夫です。

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