普段の生活で目にしない仕事や場所は、どう伝えればよいのでしょうか。工場や製油所、建設現場などは、そこで働く人にとっては当たり前の風景でも、外の人にはなかなかイメージできません。企業の魅力を伝えたくても、言葉だけでは理解してもらえず、もどかしさを感じている経営者や担当者は多いと思います。この記事では、そうした「見えない現場」を企業動画でどう見せると伝わるのかを、制作費用・期間・依頼時の注意点とあわせて整理します。
生活に馴染みのない場面は、そのままでは伝わらない
目次
見る人にとって「遠い」場面とは、日常で目にしたことがなく、どんな作業が行われているのか想像しにくい場所のことです。製油所やプラントの内部、専門的な機械が並ぶ工場などが当てはまります。
そうした場面を、いきなり細かい設備や作業の映像で見せても、視聴者は「何を見ているのか」がわからず離れてしまいがちです。だからこそ、企業動画では「どこの、何の場面か」を先に示し、理解の足場を作ることが大切です。
見る人にとって「遠い」場面とはどんなものか
例えば、ガソリンや電気がどこでつくられ、どう届いているかを普段意識する人は多くありません。製油所のような場所は、生活の裏側にあるからこそ、映像で見せる価値が大きくなります。
中小企業の場合も同じです。自社の仕事は、業界の人にとっては当たり前でも、取引先の新入社員や採用候補者、一般の顧客にとっては未知の世界です。その「遠さ」を、動画で近づけることが目的になります。
いきなり全体を見せても伝わらない理由
広い工場の映像や、複雑な機械の動きをいきなり流しても、視聴者は何がポイントなのか判断できません。情報が多すぎると、印象に残るのは映像の美しさだけになってしまいます。
そこで、まず全体の場所を示し、次に人の動きを映し、最後に作業の細部を見せる、という順番が効果的です。この順番を意識するだけで、見る人の理解はかなり変わります。
馴染みのない場面を企業動画で伝える3つの工夫
ここでは、企業動画で見えない現場を伝えるための具体的な工夫を3つ紹介します。
どこの、何の場面かを最初に示す
動画の冒頭で「ここはどこで、何をしている場面なのか」をはっきり示すと、視聴者は安心して見続けられます。字幕やナレーションで一言添えるだけでも効果があります。
例えば「この製油所では、原油から燃料や素材をつくっています」と伝えてから映像に入ると、同じ映像でも意味が変わって見えます。
その場面で働く人の姿を映して身近にする
機械や設備だけを映すと、どうしても冷たい印象になりがちです。そこで働く人の表情や声を入れると、視聴者は「どんな人が、どんな思いで働いているのか」を想像できます。
ENEOSの30秒CMでは、俳優の磯村勇斗さんが「ENEOSあたり前チーム」のリーダー役として、社員の山川さんと会話する形式を取っています。実際の社員との掛け合いを通じて、現場を身近に感じられる構成です。企業の中の人を主役にする設計は、生活者に親しみを持ってもらう工夫として参考になります。
専門用語や工程は、必要な分だけ補足する
現場の専門用語や工程を多く入れると、初めて見る人は置いてけぼりになります。すべてを説明する必要はありませんが、理解の鍵になる言葉だけは一言補足すると親切です。
例えば「精製(原油から必要な成分を取り出す工程)」のように、かっこ書きで補うと、専門性を保ちながら理解しやすくなります。
事例で見る、見えない現場の伝え方(ENEOSの例)
ここでは、大手エネルギー企業のENEOSを例に、見えない現場を動画でどう伝えているかを見ていきます。
30秒CMで「今日と明日」を一度に伝える
ENEOSグループの新TVCMは2026年5月24日から放映が始まりました。シリーズ第1弾「磯村リーダーと山川社員・エネルギー篇」は、舞台を川崎製油所に置いています。
ナレーションは「エネルギーで、明日を動かせ。」から始まり、「いつの日か、今日の挑戦が『明日のあたり前』になる、そのときまで。」で締めくくられます。30秒という短い尺で、今日の暮らしを支える役割と、これからの挑戦を同時に伝えている点が特徴です。
約1分45秒の動画で現場の仕事を深く紹介する
フルバージョンの「ENEOSの製油所って製なに所?」は、約1分45秒の長さで、製油所で働く社員が自分の言葉で仕事を語る構成です。原油の精製から、製品の生産、管理、安定稼働までのプロセスと、そこにある責任感ややりがいを紹介しています。
短いCMで興味を持ってもらい、長い動画で中身を深く知ってもらう。尺を分けて役割を変えるという考え方は、中小企業の動画制作にも応用できます。
尺を分けて役割を変えるという考え方
すべての情報を1本の動画に詰め込むと、伝えたいことがぼやけます。短い動画で「ここに興味を持ってもらう」、長い動画で「詳しく理解してもらう」と役割を分けると、視聴者の段階に合わせて情報を届けられます。
企業動画の制作費用の目安と、費用が変わる要素
企業動画の費用は、動画の内容や作り方によって大きく変わります。金額の相場を一律に示すことは難しいため、ここでは費用を決める要素を整理します。
費用が変わる主な要素
主な要素は次のとおりです。
- 動画の尺(短いほど費用を抑えやすい傾向がある)
- 撮影の有無(現地撮影が必要か、既存の素材を使うか)
- 実写かアニメーションか(表現方法によって制作工程が変わる)
- 出演者の人数や、ナレーション・音楽の有無
- 修正回数や納品形式
費用は一律ではないため、「何を、どの長さで、どの方法で作るか」を決めてから見積もりを取ることが大切です。
見積もりを比べるときに確認したいこと
見積もりを比べるときは、金額だけでなく内容を確認しましょう。どこまでが料金に含まれるのか、修正は何回まで対応してもらえるのか、納品形式や使用期間に制限があるのか、といった点を事前に聞いておくと安心です。
具体的な料金は制作会社によって異なるため、詳しくは各社の公式サイトの料金情報をご確認ください。
制作期間の目安と、スケジュールで気をつけたいこと
制作期間は、内容や社内の確認の早さによって変わります。ここでは、一般的な流れと、遅れやすいポイントを紹介します。
企画から納品までの流れ
企業動画の制作は、一般的に次のような流れで進みます。
- 目的と視聴者を決める(企画)
- 構成・台本をつくる
- 撮影や素材の準備をする
- 編集・仕上げを行う
- 確認と修正をして納品する
各工程にかかる時間は、動画の内容や撮影の有無によって大きく変わります。全体の期間は、依頼前に制作会社へ確認しておくと安心です。
社内確認や素材集めに時間がかかりやすい理由
制作期間が延びやすいのは、多くの場合、社内の確認や素材の準備に時間がかかるときです。関係部署の承認が必要な場合や、撮影に協力してくれる社員の調整が難しい場合は、余裕を持った日程を組みましょう。
依頼するときの注意点(失敗しないためのチェック)
企業動画の依頼で失敗しやすいのは、制作そのものより、依頼前の整理が不十分なケースです。ここでは、特に注意したい点を3つ紹介します。
目的と視聴者を先に決める
「何のために」「誰に見てほしいのか」が曖昧なままでは、構成も表現も定まりません。採用なのか、営業なのか、ブランディングなのかを決め、視聴者像を具体的にしておくことが大切です。
修正回数と納期を事前に確認する
修正が何度もできると思っていたら、追加費用がかかったり、納期が延びたりすることがあります。修正の範囲と回数、確認のタイミングは、契約前に必ず確認しておきましょう。
現場の協力体制と撮影許可を確認する
工場や施設での撮影には、社内の承認や安全管理のルールが関係します。撮影が可能な範囲や、映せない場所があるかどうかを、事前に社内で共有しておくとスムーズです。
馴染みのない場面を見せるメリットとデメリット
見えない現場を動画で見せることには、利点と注意点があります。
メリット:遠い存在が身近になり、理解が深まる
現場の映像と人の姿を組み合わせると、企業の仕事がイメージしやすくなります。初めて知る人にとっても、会社への親しみや信頼感につながりやすくなります。
デメリット:専門性が高く、伝わるまでの工夫が必要になる
専門性の高い現場ほど、そのまま見せると理解されにくくなります。構成や補足の工夫が欠かせず、その分の制作の手間やコストがかかる点は、事前に理解しておく必要があります。
企業動画の制作でよくある質問
企業動画の制作費用はどのくらいが目安ですか
費用は、動画の尺、撮影の有無、表現方法などによって大きく変わります。一概に金額を示すことは難しいため、目的と内容を整理したうえで、各制作会社の公式サイトの料金情報をご確認ください。
企業動画の制作期間はどのくらいかかりますか
内容や社内確認のスピードによって異なります。撮影が必要かどうか、関係部署の承認が何回必要かなどを事前に整理すると、スケジュールが立てやすくなります。
社内に撮影素材がなくても企業動画を依頼できますか
依頼できる場合が多いです。ただし、映像素材がない場合は撮影が必要になるため、費用や期間に影響します。どこまでを新たに撮影するかは、依頼前に相談すると安心です。
企業動画で見えない現場を伝えるための考え
ここまで見てきたように、普段目にしない現場を企業動画で伝えるには、「どこの、何の場面か」を先に示し、人の姿で身近にし、専門用語は必要な分だけ補うことが基本になります。ENEOSの事例では、30秒CMと約1分45秒のフルバージョンで尺を分け、役割を変えていました。
この考え方は、製油所に限らず、工場や施設、建設現場など、外からは見えにくい仕事を持つ中小企業にも応用できます。まずは「誰に、何を伝えたいのか」を決め、その場面を見せる順番を考えるところから始めてみてください。
費用や期間、依頼の進め方で迷うことがあれば、一人で抱え込まずに相談してみてください。時間の制限なく無料相談を受けていますので、「うちの現場はどう見せればいいか」という段階からでも大丈夫です。

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